【写真特集】大震災への支援機に深まった絆 台湾と日本の10年

2021/03/11 06:19 文字サイズ: 字級縮小 字級放大

台湾産パイナップルを「食べて恩返し」――そんな声が日本で広がっている。パイナップルの最大の輸出先だった中国による突然の輸入停止通告を受けての動きだ。東日本大震災での支援を機に結ばれた台湾と日本の絆。10年が経過した今も日本から絶えず届く感謝の思いは、台湾人の心を温め続けている。

2011年、東日本大震災の発生を受け日本に出発する台湾の救助隊。台北松山空港にて。中央社資料写真

2011年、東日本大震災の発生を受け日本に出発する台湾の救助隊。台北松山空港にて。中央社資料写真

外交部(外務省)の統計によれば、日本に贈られた義援金の総額は政府機関や民間、合わせて68億5千万台湾元(約264億円)に上った。金額としては世界最多とされる。

震災直後、ニュースを見た台湾の人々の脳裏によみがえったのは、1999年に起きた台湾大地震だった。日本のレスキュー隊が駆け付け、台湾の被災者の救助に当たったのだ。謝長廷・駐日代表(駐日大使に相当)は10日付の日本メディアへの寄稿に、2011年を振り返り記した――「今度は台湾が日本に恩返しする番だ」。台湾中から日本を支援しようとの声が上がった。

▽日本の民間で広がった感謝の輪

あれから10年間、日本から感謝が寄せられ続けていることに、台湾人は驚きを隠せずにいる。

2011年4月、感謝を伝える広告を台湾の新聞に出そうと、デザイナーの木坂麻衣子さんがインターネットで募金を開始。大きな話題となり、目標額を大幅に上回るおよそ1900万円が1週間で集まった。翌月には大手紙、自由時報と聯合報に半ページの広告が掲載された。

2011年5月、聯合報と自由時報に掲載された台湾に感謝を伝える広告。ウィキペディアより(作者Frankou,CC BY-SA 3.0)

2011年5月、聯合報と自由時報に掲載された台湾に感謝を伝える広告。ウィキペディアより(作者Frankou,CC BY-SA 3.0)

2013年3月、東京ドームで野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の台湾戦が行われた際、球場には多くの中華民国国旗が掲げられた。

震災から10年目となる2021年3月、台北メトロ(MRT)中山駅には、東北から感謝を伝える巨大な壁面広告が掲示されている。台湾へのメッセージを掲げる約1200人の写真が壁一面に敷き詰められた。

台湾への感謝を伝える壁面広告。台北メトロ中山駅にて。

台湾への感謝を伝える壁面広告。台北メトロ中山駅にて。

日本人留学生らによるイベント「謝謝台湾」は10回目を数えた。活動の拠点となってきた新北・淡水には台湾と日本の友情を記念する石碑が建てられ、「謝謝台湾」「私たちは忘れない」と刻まれた。

淡水に設置された日台の友情を記念する石碑

淡水に設置された日台の友情を記念する石碑

関連記事:「大好き台湾」 駅の壁面に東北1200人のメッセージ 震災時の感謝伝える

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▽災害のたびに支え合う関係に

近年は災害のたび、エールを送り合い、互いに支える関係となっている。16年2月の台湾南部地震では日本政府から支援が寄せられたほか、民間でも台湾への寄付を募る動きが広がった。

2016年2月の台湾南部地震発生後、大阪の市街地に貼られた見舞いの言葉。読者提供。

2016年2月の台湾南部地震発生後、大阪の市街地に貼られた見舞いの言葉。読者提供。

18年2月の花蓮地震では、安倍晋三首相(当時)が「台湾加油(頑張れ)」と直筆のメッセージをSNSで発信。蔡英文(さいえいぶん)総統がこれを受けて感謝のメッセージを投稿するなど、両氏は災害のたびに見舞いの言葉を掛け合った。

▽台北101に灯された「日台友情」の文字

日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会は、東日本大震災から10年の節目を迎えた今年、改めて感謝の気持ちを伝えようと一連の行事を開催している。1月には超高層ビル「台北101」に「日台友情」などの文字が灯された。

台北101のライトアップ

台北101のライトアップ

2月に催された漫画・アニメの祭典「台北国際コミック・アニメフェスティバル」の日本館では、日本の100人余りの漫画家が台湾への感謝を伝えるために描いた色紙が展示された。

展示された日本の漫画家からの感謝色紙

展示された日本の漫画家からの感謝色紙

「北斗の拳」の原哲夫さん、「島耕作」シリーズの弘兼憲史さん、「はたらく細胞」の清水茜さんら有名漫画家が参加し、漫画のキャラクターのイラストとともに記された感謝のメッセージがずらりと並んだ。

同協会は10日から台北市内の文化スポット「華山1914文化創意産業園区」で記念展示を開催。漫画家による感謝色紙のほか、被災地の写真展などを展示し、台湾への感謝とともに被災地の今を伝えている。

(編集:楊千慧)