放置された国共内戦時の堡塁 再整備、一般開放の見通し高まる/台湾

【観光】 2021/02/04 14:24 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
1946~49年の間に建設された台中市内の「崇倫碉堡」=黄国書議員事務所提供

1946~49年の間に建設された台中市内の「崇倫碉堡」=黄国書議員事務所提供

(台中中央社)国共内戦時に建設され、一時は放置されていた中部・台中市内の堡塁が公園として再整備され、一般開放される見通しが高まった。

この堡塁は、中国軍の侵攻に備えるための小型要塞兼防空壕として1946~49年の間に建設された、同市南区崇倫里の「崇倫碉堡」。文化部(文化省)の資料によると、長さ400センチ、幅300センチ、高さ310センチ、壁の厚さ30センチの鉄筋コンクリート造りで、出入り口以外の3面には銃座が1カ所ずつ設けられている。中国との敵対関係が徐々に緩和されたことで軍事的な価値を失ったが、同市政府が2010年、歴史的な意義を有するとの見地から、市の歴史的建造物に登録した。

堡塁が位置する台湾鉄路管理局(台鉄)の線路沿いは、台鉄の一部区間が高架化されたのに伴う線路跡地の環境美化により、2016年以降相次いで緑地帯に生まれ変わったが、堡塁だけはトタン板に囲まれたまま放置されていた。

この状況を憂いた地元選出の立法委員(国会議員)は2日、台鉄や交通部(交通省)鉄道局、同市の関係者らを集めて視察を行った。地元の里長(町内会長に相当)によれば、高架化前の堡塁は、地元の民間団体によって手入れが施され、住民の憩いの場だったという。一方の台鉄は、堡塁が台鉄の所管であることを認めた上で、公園管理は業務外だと主張。鉄道高架化に伴う同市政府建設局の緑化計画に組み入れるよう提言した。

各方面からの意見を聞き取った議員は、今月末までに堡塁を再整備し、一般開放するよう台鉄に要求。その後のメンテナンスについては、同市との間で協議が行われるという。

(蘇木春/編集:塚越西穂)