李登輝元総統も称賛 明治生まれの台湾人画家、楊三郎の回顧展、東京で開催中

【社会】 2021/07/03 14:33 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
楊三郎美術館の村越のりこ代表。右側の絵は李登輝元総統のお気に入りの「玉山日出」(玉山の日の出)

楊三郎美術館の村越のりこ代表。右側の絵は李登輝元総統のお気に入りの「玉山日出」(玉山の日の出)

(東京中央社)台湾の美術界に大きな功績を残した日本統治時代生まれの画家、楊三郎の日本初の回顧展「台湾の至宝 楊三郎展」が東京都内で開催されている。李登輝(りとうき)元総統に称賛された台湾の風景画のほか、親日家だった楊が日本語で書いた日記も見ることができる。

楊は1907(明治40)年、台北の裕福な商家に生まれた。宮崎出身の画家、塩月桃甫(とうほ)の油絵に感銘を受けて画家を志し、16歳で親の反対を押し切って渡日。翌年京都の関西美術院に入学した。在学中から頭角を現し、卒業後も日本や台湾の美術展で立て続けに入選。32年にはパリに渡り、フランスの秋サロンでも入選を果たした。帰国後は、台湾人画家を主体とする「台陽美術協会」の創設に尽力した。

同展では、生前精力的に世界を巡った楊が36年から91年にかけて描いた約半世紀分の作品を一挙展示。このうち、李元総統のお気に入りは、台湾最高峰の玉山(標高3952メートル)を描いた「玉山日出」。楊三郎美術館(北部・新北市)の村越のりこ代表によれば、冬の明け方に黄金色に染まった空と日の光を浴びた山々を描いたもので、見る者に希望と大きな力を与える作品だという。

展示作品はいずれも同美術館の収蔵品の一部で、大部分は日本初公開。村越氏は、新型コロナウイルスの影響で海外旅行がままならない今だからこそ、作品を通じて作者の感動を感じてほしいと呼び掛けている。

東京・銀座の泰明画廊で7月10日まで。

(楊明珠/編集:塚越西穂)