コロナで家族ばらばらに 医療従事者、実話引き合いにステイホーム促す/台湾

【社会】 2021/06/10 17:16 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
コロナで家族ばらばらに 医療従事者、実話引き合いにステイホーム促す=イメージはUnsplashから

コロナで家族ばらばらに 医療従事者、実話引き合いにステイホーム促す=イメージはUnsplashから

(新北中央社)新型コロナウイルス感染者を収容する衛生福利部(保健省)台北医院(新北市)が、同院に運び込まれた重症患者とその家族に起こった悲劇を公式フェイスブックにつづり、今週末に控えた端午節(今年は6月14日)の3連休には帰省せず、自宅にとどまってほしいと呼び掛けている。

同院によれば、運び込まれたのは60代の男性。自宅で息苦しさを覚え、耐えかねて救急車を呼んだという。PCR検査を経て、一家5人のうち、同居していなかった長男を除く4人の陽性が判明した。容体が悪かった妻は集中治療室(ICU)に入り、母親は検疫所、次男は自宅で隔離することになった。肺の持病を患っていた男性には人工呼吸器が装着されたが、治療は苦しく、入院4日目には、「呼吸器を外してほしい」と紙に書いたという。

その後、薬の作用などで容体が落ち着いた男性が、妻や母親の安否を気遣っていると看護師に告げられた次男が、父親とのビデオ通話を希望。長男が病院に携帯電話を届けたが、その後間もなく、男性の容体が急速に悪化。医療スタッフの懸命の治療のかいなく他界した。通話装置を通じて父親に語りかける長男の声がナースステーションにむなしく響き渡り、誰もが悲しみに打ちひしがれた。

端午節は台湾の三大節句の一つで、故郷を離れた人もこの日には帰省し、一家だんらんを楽しむのが一般的な過ごし方とされる。だが同院は、今年の端午節に家族に伝えるのは「今から帰る」ではなく、お互い家にいようという一言だと思うと記し、「あなたはどうですか?」と問い掛けている。

(黄旭昇、王鴻国/編集:塚越西穂)