日本時代の彫刻家の作品、佐渡市から台湾に帰郷 修復・レプリカ制作へ

【社会】 2021/01/22 18:13 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
黄土水が手掛けた山本悌二郎の胸像

黄土水が手掛けた山本悌二郎の胸像

(台中中央社)日本統治時代の台湾彫刻家、黄土水が手掛けた石膏像が新潟県佐渡市から台湾に“一時帰郷”した。国立台湾美術館(台中市)で22日、記者会見が開かれ、像がお披露目された。李永得文化部長(文化相)は、台湾と日本の文化交流において新たな1ページが刻まれたと喜びを示した。

台湾に戻ったのは、黄が1927~28年ごろに制作した当時の農林大臣、山本悌二郎の胸像。山本は衆議院議員や台湾製糖の支配人、社長などを歴任した。佐渡真野地区出身で、胸像は真野行政サービスセンターに展示されていた。

黄は「台湾彫刻の父」とも呼ばれ、台湾の1920年代の新文化運動に大きな影響を与えた。文化部(文化省)は台湾芸術史の再構築に力を入れており、海外に散らばった台湾芸術家の作品の里帰りを積極的に推進している。この一環として同部は昨年5月、台湾美術館、佐渡市の3者間で協議書に調印し、胸像が台湾側に貸し出されることが決まった。貸出期間は3年間で、台湾美術館で修復とレプリカ制作が行われる。その後は佐渡市に返却される。

黄は生前、生計を立てるため、日本の有力者の依頼を受けて胸像や銅像を制作していた。黄が手掛けた肖像彫刻は、今回帰郷した胸像を含め計4点が日本に残されている。李部長によれば、台湾美術館は今後も黄の作品の収集を続けていくという。

(蘇木春/編集:名切千絵)