2・28事件で市民救った弁護士、読み物に 正義と勇気の精神伝える/台湾

【社会】 2020/12/01 17:35 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
湯徳章(日本名:坂井徳章)氏の生涯を描いた絵本=台南市文化局提供

湯徳章(日本名:坂井徳章)氏の生涯を描いた絵本=台南市文化局提供

(台南中央社)蒋介石率いる国民党政権が台湾市民を武力弾圧した1947年の「2・28事件」で犠牲となった南部・台南市の弁護士、湯徳章(日本名:坂井徳章)氏の生涯を描いた青少年向け書籍が出版された。自分の命を顧みず多くの人命を救った正義と勇気の精神を伝える。

先月28日に市内で開かれた出版記者会見では、同市政府文化局の葉澤山局長が、湯氏の功績は台南市以外の土地ではあまり知られていないと指摘。しかるべき歴史的地位や評価が与えられるべきだと述べ、絵本を介してより多くの人々が湯氏についての認識を深めることに期待を示した。

湯氏は日本統治時代の1907(明治40)年、日本人の父親と台湾人の母親の間に生まれた。日本で法律を学び、故郷で弁護士となった。2・28事件では、事態の収束を試みるも、鎮圧に乗り出した軍に連行され、3月13日に公開処刑された。身柄を拘束される前、決起を意図していた青年らの名簿を焼却し、多くの命を救ったとされる。

書籍のタイトルは「正義と勇気-湯徳章」。湯氏の家庭背景や就学、結婚、仕事、晩年などがわかりやすい文章と豊富なイラストでつづられているほか、理解度を深めるための年表や写真なども配された。同市が出版を企画し、国家人権博物館から資金援助を受けて実現した。

同書は台南市立図書館やその分館などに所蔵されるほか、インターネットなどを通じて販売もされる。

(張栄祥/編集:塚越西穂)