日本食品の輸入規制 旭日中綬章受章の原子力専門家「科学的に向き合うべき」

【政治】 2021/01/28 19:04 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表(右)から勲記を与えられる謝牧謙氏

日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表(右)から勲記を与えられる謝牧謙氏

(台北中央社)日本政府の2020年秋の外国人叙勲で旭日中綬章を受章した台湾の原子力専門家、謝牧謙氏は28日、台湾が東日本大震災以降、福島など5県産食品に対して実施している禁輸措置について、科学的、客観的データおよび国際基準の角度から向き合うべきだと言及し、この道理に従えば関連の食品は輸入可能だとの見方を示した。台北市の日本台湾交流協会台北事務所代表公邸で開かれた勲章伝達式後、報道陣の取材に対して述べた。

謝氏は一方で、5県産食品の問題は人々の感情や政治的要素にも関係するため、台湾は放射能や放射性物質に対する国民の認識を向上させる必要があると指摘した。

謝氏は1962年から10年にわたり東北大に留学し、工学博士を取得。帰国後、行政院(内閣)原子能委員会(原子力委員会)核エネルギー研究所に約30年間に勤務した。2002年の退職後は核能科技協進会執行長や輔仁大兼任教授などを務めた。

謝氏は原子力分野における日台間の学界・産業界の交流深化と相互理解の促進に寄与したことから旭日中綬章に決まった。交流協会によれば、謝氏は日台の「産官学」技術者が隔年で一堂に会す「中日工程技術研討会」や日台の専門家による「原子力安全セミナー」で30年以上中心的役割を果たし、原子力分野における日台間の交流の礎を築いた。

謝氏は伝達式後の取材で、食品中の放射性物質に対する日本の検査基準は欧米よりも厳しく、台湾の検査基準は日本を参考にしていると指摘。衛生福利部(保健省)が2年ほど前に台湾大に委託し、5県産食品に対して行った調査でも検査結果は全て合格だったと紹介した。一方で、政府は関連の情報を適時に公表しなかったと付け加えた。

衛生福利部の資料によれば、調査は2019年3月から8月にかけて実施。5県産食品31件を対象に、原発事故由来の放射性物質として問題視される「ストロンチウム90」の含有量を分析した。調査の結果、同物質は全サンプルで検出されなかった。調査報告書は昨年5月に公表された。

(陳韻聿/編集:名切千絵)