公立図書館所蔵の絵本に「中国のプロパガンダ」疑惑 市議が問題視/台湾

【政治】 2020/11/25 17:14 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
絵本「等爸爸回家」=台南市議の陳怡珍さん提供

絵本「等爸爸回家」=台南市議の陳怡珍さん提供

(台北中央社)台湾各地の公立図書館に置かれている絵本が「中国の政治的宣伝で台湾の子どもを洗脳しようとしている」と与党・民進党の市議に問題視され、所蔵館が対応に追われている。

問題の書籍は、今年5月に出版された4~8歳向けの「等爸爸回家」(仮訳:お父さんの帰りを待ちながら)。一緒に旧正月休みを過ごすと子どもに約束していた医師が、突然町を襲った新型コロナウイルスから人々を守るために奮闘する物語で、中国のコロナ対策を称賛しているほか、「中国加油」(中国頑張れ)、「武漢加油」(武漢頑張れ)などの表現も飛び出す。

北部・台北市の陳怡君市議が23日、市内の公立図書館が同書を購入していると自身のフェイスブックで明かし、「コロナの抑え込みに成功した台湾に、感染拡大を隠匿した中国のプロパガンダが入り込んでいる」と懸念を示したことで、他県市にも波紋が広がった。

台南市立図書館は、本の内容は確かに不適切と判断した同市政府文化局の葉澤山局長の意向を受け、24 日までに各分館に同書の撤去を指示。台中市立図書館も25日、同書を一時撤去したと発表し、専門家が図書選定基準に外れているとの結論を出せば書架には戻さないとする方針を示した。

新北市立図書館は、選定委員会に改めて内容審査を依頼する意向を表明。同書をまだ陳列していない台北市立図書館は、内容を確認した上で今後の対応を決めたいとしている。

(郝雪卿、張栄祥/編集:塚越西穂)