「蔡総統をAPECに」台湾の民間団体が議長国マレーシアに呼び掛け

【政治】 2020/10/21 13:30 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
「経済民主連合」の頼中強氏(左から2人目)と「台湾人権促進会」の施逸翔秘書長(同3人目)ら

「経済民主連合」の頼中強氏(左から2人目)と「台湾人権促進会」の施逸翔秘書長(同3人目)ら

(台北中央社)アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を1カ月後に控えた20日、台湾の複数の民間団体が台北市内の立法院(国会)で記者会見を開き、蔡英文(さいえいぶん)総統と陳菊(ちんきく)国家人権委員会主任委員の出席を認めるよう、議長国のマレーシア政府に呼び掛けた。

今年のAPECは11月20日、オンライン方式で開催される予定。台湾は1991年から「チャイニーズ・タイペイ」(中華台北)名義でAPECに参加しているが、首脳会議が93年に初開催されてからこれまで、中国の反対で総統は出席できず、財界人などに委任する形で特使を派遣してきた。

台湾の主権や経済の自立性擁護を趣旨とする「経済民主連合」の頼中強氏は、今後域内の経済統合の鍵となるのは、知的財産権や人権問題など貿易摩擦に絡む紛争解決のメカニズムだと指摘。労働者や環境、先住民に関する条項を盛り込んだ経済協力協定をニュージーランドと締結した台湾には関連の経験があると強調した上で、自由が失われつつある香港の情勢にも懸念を示し、蔡総統と陳氏がAPECで「アジア太平洋人権裁判所」の設立を提唱することに期待を寄せた。

「台湾人権促進会」の施逸翔秘書長は、近年、同性婚の合法化や新型コロナウイルス抑え込みによって、国際社会における台湾の存在感が際立っていると述べ、この時期に蔡総統が域内の人権保障システム構築を提言することは、台湾にとってプラスになるとの考えを示した。

総統府の張惇涵報道官は同日、APEC出席者の人選は外交部(外務省)が担当しており、決定次第発表すると報道陣に説明。アジア太平洋人権裁判所の構想については、人権は台湾だけでなく、世界共通の普遍的な価値であるとし、APECに出席するのが誰であっても、台湾は人権問題に関心を寄せ続けると述べた。

(林育瑄、温貴香/編集:塚越西穂)