「台湾の柔道を世界に」かなえた五輪出場の夢 男子60キロ級銀メダル・楊勇緯

【芸能スポーツ】 2021/07/25 12:30 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
「台湾の柔道を世界に」かなえた五輪出場の夢 男子60キロ級銀メダル・楊勇緯

「台湾の柔道を世界に」かなえた五輪出場の夢 男子60キロ級銀メダル・楊勇緯

(東京中央社)「やった。台湾の柔道を世界に見せることができた」。小学生の時から抱いていた夢の舞台でつかんだ銀メダル。五輪初出場にして、台湾に柔道で史上初となるメダルをもたらした。次の一歩、「目標は金メダル」。23歳の楊勇緯に迷いはない。

男子60キロ級で、ブルガリア、オランダ、フランスの選手を次々に破り、たどり着いた高藤直寿との決勝。今大会で最も戦いたいと願っていた相手との戦いだった。互いに譲らない接戦で、楊は得意の寝技を封じられ、反則で惜敗した。

台湾原住民(先住民)族パイワン族の血を引く楊。母親が柔道をやっていた影響で、小学3年から兄と共に習い始めた。高校時代から知るコーチの劉文等さんは、パイワン族である楊は元々、体格に恵まれていたと話しつつ、五輪の舞台に立つには並々ならぬ努力があったはずだと語った。

楊が世界の舞台で頭角を現し始めたのは、ここ数年のことだ。2018年、ジャカルタでのアジア大会で銅メダルを獲得し実力を確実なものにすると、勝者の常連に。今年は国際大会で目覚ましい活躍を見せ、カタール・ドーハでのマスターズ大会では銀メダルに輝いた。

劉さんは五輪の金メダルを争った2人の実力に大きな差はなかったと指摘。激しい接戦では試合のコントロールの度合いと少しの運が勝敗を分けると話した。

高藤は楊が日本でトレーニングした際、何度も対戦した相手で、対策も練っていた。それは、高藤にとっても同じだった。試合直後、楊は悔しさを隠し切れない様子だったが、表彰台ではメダルを頬に当てて喜びをかみしめた。「オリンピックのメダルだ」。会場に堂々とかけられた旗を見つめ、台湾の柔道の実力を世界に示せたことを実感した。

劉さんは、楊の積極的に攻めようとした姿勢には強く感動したと称えた。「まだ若く、実力もある。世界の舞台でこれからも輝き続けてほしい」。

(謝静雯/編集:楊千慧)