日本の探査衛星に搭載された台湾製分析器、半世紀の定説覆す発見に貢献

【経済】 2021/01/20 11:25 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
探査衛星「あらせ」によるオーロラ加速域観測のイメージ=成功大学提供

探査衛星「あらせ」によるオーロラ加速域観測のイメージ=成功大学提供

(台南中央社)日本のジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)に搭載された台湾の低エネルギー電子分析器(LEPe)が、科学界で過去50年間信じられてきた定説を覆す発見に貢献したことが分かった。ERGプロジェクトのメンバー、成功大学(台南市)が19日、発表した。

地球周囲の放射線帯の謎に迫るため2016年に打ち上げられた「あらせ」。同大によると、同大と中央研究院からなる台湾チームは14年にプロジェクトに参加。台湾製としては初めてかつ最高となる地表から200~3万2千キロでの観測が可能なLEPeの設計から製造、校正、設定まで全てを独自で完成させた。

今回、プロジェクトチームは、弧状のオーロラの上空で、LEPeなどの精密機器を駆使した観測を実施。オーロラを光らせる電子を加速する静電場(オーロラ加速域)が高度3万キロ以上まで広がっていたことを突き止めた。オーロラ加速域が生成される原因は分かっておらず、加速域の特定がその謎を解く鍵とされていたが、これまでの研究では、高度数千キロが中心で、最高でも2万キロ以下と考えられていた。今回の発見はその理論を覆しただけでなく、木星や土星のオーロラなど、天体磁気圏における電子の加速メカニズム過程の解明にも役立つことが期待されるという。

(張栄祥/編集:塚越西穂)