中国軍機20機が台湾のADIZに進入 総統府「地域の平和に役立たない」

【両岸】 2021/03/27 15:40 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
台湾の防空識別圏に進入した中国のJ16戦闘機=国防部提供

台湾の防空識別圏に進入した中国のJ16戦闘機=国防部提供

(台北中央社)台湾と米国が覚書を結んだ途端、中国人民解放軍の軍用機延べ20機が台湾南西の防空識別圏(ADIZ)に進入した。これを受け、総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は27日、「地域の平和と両岸(台湾と中国)関係の発展に役立たない」との認識を示した。蘇貞昌(そていしょう)行政院長(首相)も同日、同件に言及。覚書締結は「地域の平和のため」と強調し、より多くの力を人民のために割くべきだと中国に呼び掛けた。

中国軍機は、駐米国台北経済文化代表処(大使館に相当)と米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)が沿岸警備の連携強化に関する覚書を締結した26日に飛来した。昨夏以降、台湾のADIZに繰り返し侵入していたが、延べ20機という数字は、国防部(国防省)が統計を公表し始めた昨年9月以来最多。

台北市内で報道陣の質問に答えた張氏は、「北京当局の一方的な軍事的挑発」と批判し、両岸関係に役立たないばかりか、「台湾の人々の支持も得られない」と述べた。

蘇氏は、新北市でメディアの取材に応じ、人民が求めるのは平和と安定した暮らしだと強調。みだりに武力を使って戦火を起こせば国力の浪費と人民の不安を招くと述べ、軍用機を台湾周辺に派遣する「必要はない」と語気を強めた。

(温貴香、沈佩瑤/編集:塚越西穂)