中国の李首相、全人代で政府活動報告 対台湾姿勢は緩やかに=専門家分析

【両岸】 2021/03/05 16:23 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
中国の李克強首相=中新社提供

中国の李克強首相=中新社提供

(台北中央社)中国の李克強首相が5日に全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で行った政府活動報告について、台湾の学者は「香港は早急に、台湾は緩やかに」との態勢が見て取れるとの見方を示した。

全人代は5日、北京で開幕した。李首相は同日午前の政府活動報告で台湾について、「一つの中国原則」と「92年コンセンサス」を堅持し、両岸(台湾と中国)関係の「平和的発展と『祖国統一』を推進する」と言及。「『台湾独立派』の分裂活動を強く警戒、固く封じ込め、『台湾同胞』の福祉と大陸で同様の待遇を受けられる制度や政策を完全に保障する。海峡両岸の交流、連携、融合、発展を促進し、『心を一つに民族復興の美しい未来を共に創る』」と述べた。

政治大東アジア研究所の王信賢所長は中央社の取材に対し、今年の中国の全人代と人民政治協商会議の重点は香港の選挙制度改革だと指摘。今年で中国共産党が創建100年を迎えることもあり、両岸問題では「安定」が主になるとの見解を示した。

また、香港への対応の動きは非常に早いのに対し、台湾に対しては「面倒が起こらなければいい」との姿勢が見て取れるとし、全体的には「香港は早急に、台湾は緩やかに」といった状況になっていると分析した。

淡江大中国大陸研究所の張五岳副教授(准教授)は中央社の電話取材に、北京当局の両岸関係を巡る雰囲気は穏やかになっている形跡があると指摘。かつては「一つの中国原則を体現する92年コンセンサス」との言葉を使っていたものの、今年は「一つの中国原則と92年コンセンサス」とされたことを例に挙げた。立場が改めて示された一方で、「追加されたものはなかった」と説明した。

昨年の全人代で李首相は、「一つの中国」原則下の「92年コンセンサス」には触れず、「統一」の部分では「促進する」との単語を使用していた。「平和的」との言及はなかった。

(頼言曦/編集:名切千絵)