(台北中央社)海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)が保有する大小4隻の巡視船の側面に「TAIWAN」の文字が追加されたことが分かった。総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は17日、フェイスブックを更新し、指示を下したのが蔡英文(さいえいぶん)総統であると明かした。
同署によれば、この措置は、各国の船舶が台湾の巡視船艇を明確に識別できるようにするためで、今年1月から塗装が始められた。現時点では500トン級1隻、1000トン級2隻、2000トン級1隻で作業が完了。今後引き続き、225隻に同様の塗装を施すとしている。
張氏は、台湾海峡の周辺海域には各国の船舶が年間延べ30万隻航行しているとした上で、中国が一方的に制定した、外国船舶への武器の使用を認める「海警法」が今月1日に発効したことを指摘。「TAIWAN」の表記が、法的地位の定まらない地域をめぐる「グレーゾーン紛争」を念頭に置いたものであることを示唆しつつ、台湾が堅持する、「挑発も屈服もしない」立場を改めて示した。
(劉建邦、温貴香/編集:塚越西穂)