台湾人監督の短編「夜車」、ザグレブ国際アニメ映画祭でグランプリ

【芸能スポーツ】 2021/06/15 15:30 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
短編アニメ「夜車」の場面画像=ジョー・シエ監督提供

短編アニメ「夜車」の場面画像=ジョー・シエ監督提供

(台北中央社)クロアチアの首都ザグレブで12日に開かれた「ザグレブ国際アニメーション映画祭」授賞式で、台湾のアニメーション監督、ジョー・シエ(謝文明)の「夜車」(Night Bus)が短編アニメ部門でグランプリに輝いた。シエ監督は中央社の取材に対し、グランプリ獲得は「奇跡のようだ」と喜びを明かした。同作品は来年の米アカデミー賞への応募資格を手に入れた。

同作品は最終バスを舞台に、人の暗黒面を描き出した作品。3分の1以上のセリフは閩南語が使われており、台湾らしさを醸し出している。作品の中心的人物である貴婦人の声は、女優のチェン・シューファン(陳淑芳)が担当した。同作は台湾の映画賞「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)でも昨年、短編アニメ賞を受賞した。

シエ監督は閩南語のセリフについて、「とりわけ味がある。感情と魅力を増大させることができる」と言及。シューファンが台湾華語と閩南語が入り混じったセリフを話すのは「台湾の現況」だとし「閩南語を使えたのは嬉しい」と語った。

シエ監督は、人の暗黒面を探るのを得意とし、ゾクゾクとさせるような世界観で知られる。日本のアニメーション作家、川本喜八郎に触発され、アニメも実写映画のように人の弱さを描くことができると気付いたという。

自身の作品が国際映画祭で評価されていることに対し、シエ監督は「狂気じみた、あるいは血なまぐさい世界観の作品が東洋には少ないからなのではないか」と分析する。「東洋の社会で生まれ育ったから、叙述の方式や描き方も違う。私の作品は東洋人の外観で愛憎を表現している。これは東洋人として一貫して誇りに思っていることだ」と話した。

シエ監督は年内に新作の短編アニメ「螳螂」(仮訳:カマキリ)を公開予定。人と人の間の感情を一風変わった世界観で表現するという。

ザグレブ国際アニメ映画祭は米映画芸術科学アカデミー公認の映画祭で、短編グランプリ作品には米アカデミー賞への応募資格が与えられる。

(編集:名切千絵)