日本統治時代の作家、西川満の日記、台湾で出版 今月末には発表会も

【社会】 2021/03/25 12:07 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
台湾で出版された「西川満日記」=国立台湾文学館提供

台湾で出版された「西川満日記」=国立台湾文学館提供

(台南中央社)日本統治時代の作家、西川満(1908~1999)が生前に残した日記が今年、原文復刻版と中国語版の2冊組書籍「西川満日記」として台湾で出版された。現存する唯一の日記で、西川研究や戦後初期の日本社会を理解する上での重要な資料と捉えられている。

西川は福島県会津若松市生まれで、幼少期に両親と共に渡台。戦後日本に引き揚げるまでの36年間を台湾で過ごし、台湾風物研究誌「台湾風土記」や詩集「華麗島頌歌」などを通じて台湾の風物や文化を伝えた。引き揚げ後には、台湾を題材とした美しい装丁の「美麗本」を作るなど、造本にも携わった。

日記は、日本に引き揚げた後の1947(昭和22)年3月30日から1年間の生活を記したもので、台湾に関する記述も多く見られる。経済学者の長男、故・西川潤氏が2010年、真理大学麻豆キャンパス(南部・台南市)の台湾文学資料館の館長を務めた張良沢氏に寄贈した。中国語への翻訳を手掛けた張氏は、「西川氏が残した唯一の日記」との見解を示しているという。

出版元の国立台湾文学館(台南市)では今月31日、出版記念発表会が催される。

(張栄祥/編集:塚越西穂)