台湾カルチャー読み解く 書籍が日本で刊行 「文創」けん引する51組取材

【社会】 2020/10/29 19:07 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
10月27日に日本で刊行された「TAIWAN EYES GUIDE FOR 台湾文創」。冨樫美和さん撮影

10月27日に日本で刊行された「TAIWAN EYES GUIDE FOR 台湾文創」。冨樫美和さん撮影

(台北中央社)台湾の「文化創意」(文化クリエーティブ、文創)をけん引するキーパーソン51組へのインタビューをまとめた「TAIWAN EYES GUIDE FOR 台湾文創」が27日、刊行された。インタビューではそれぞれの仕事に対する姿勢や文創への考え方に迫っており、台湾カルチャーを突き動かす原動力を読み解くことができる。

台湾に根付く文化を素材とした創作を奨励し、産業として発展させることを目指す政府の政策から始まった「文創」。同書では、伝統的な祭りを現代的な手法で再構築した設計会社の総監督、台湾料理を独自に昇華させた創作料理を提供するレストランのシェフ、漢方を現代の女性にも受け入れられるようブランディングした日本人と台湾人の女性2人組など、多様なジャンルで活躍する人物たちが取り上げられている。

同書は2018年に出版された「TAIWAN FACE GUIDE FOR 台湾文創」の続編で、監修は前作同様、日台でカルチャーイベントに携わってきた小路輔さんが担当した。「日本人が思う台湾と本当の台湾の姿の間にある大きな乖離を埋めたい」と前作を作った小路さん。テレビ番組などで紹介されるような「ステレオタイプな台湾」をイメージしている日本人が多すぎると感じていた。10月下旬に中央社の取材に応じ、前作の出版から2年近くが経ったが「その差は埋まったとは言えない」と話した。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、日本に入ってくる台湾の情報が大きく変わったとも指摘。台湾の新型コロナ対策が日本のメディアでも大きく取り上げられるようになり、より多くの人が台湾に興味を持つようになったという。台湾や台湾カルチャーの本質に目を向けるようになった日本人も多いと思うと話した。

「台湾にはこれからの日本が直面する問題のヒントが溢れている」と小路さん。少子高齢化や介護、LGBTなどの性的少数者への取り組み、民主主義のあり方、仕事とプライベートのバランスの取り方などは、「台湾が日本より先行している」といい、これらをインタビューから読み解くことで、より理解できるのではとしている。

(楊千慧)