台湾在住の日本人ピアニストら、音楽関連の資料館に文物を寄贈

【社会】 2020/10/28 14:41 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
藤田梓さんが寄贈した資料=国立伝統芸術センター提供

藤田梓さんが寄贈した資料=国立伝統芸術センター提供

(台北中央社)台湾を拠点に活動する日本人ピアニストの藤田梓さんや、台湾を代表する声楽家、金慶雲さんらが27日、コンサートプログラムなど音楽に関するさまざまな文物を国立伝統芸術センター台湾音楽館(台北市)に寄贈した。

藤田さんは1934年生まれ。台湾人音楽家、鄧昌国さんとの結婚を機に台湾に拠点を移し、ピアニストとして活躍するかたわら、各地の教育機関で教鞭を執り、後進の育成にも尽力した。台湾での活動は50年を超えている。

金さんは1931年生まれ。台湾省立師範学院(現・国立台湾師範大学)を卒業後、高雄や台北の専科学校で音楽教師をしながら、ウイーンに3回渡航するなどして声楽の道を究め、1985年からは母校など数校で声楽の指導に当たった。国内外でリサイタルを開くなど広く活躍し、台湾で20世紀に最も名を知られた声楽家の一人と位置付けられている。

同日開かれた記者会見では金さんが、人にとって最も大切な資産は記憶で、文物の保存は記憶を末永く留める最良の方法だと強調。藤田さんは、資料を残すことで、今を生きる音楽家たちの努力が100年後の人々に伝わることに期待を寄せた。

同館の前身は文化建設委員会(現文化部=文化省)が1990年に創設を計画した「民族音楽センター」。組織改編や改称などを経て2012年に「台湾音楽館」となり、これに伴って業務も台湾の音楽全般に関する資料の収集、保存、情報提供、展示などに拡大した。文物の寄贈を広く募っており、今年は上記2人のほか、歴史研究家の荘永明さんや音楽プロデューサーの劉国煒さん、作曲家の林道生さんら多数の音楽関係者やその家族から、手描き原稿や文献、手記、写真、出版物、レコードなど2695点に上る品々が寄贈された。

(趙静瑜/編集:塚越西穂)