第54回金馬奨ノミネート紹介:長編フィクション作品賞

2017/11/23 17:43文字サイズ:字級縮小字級放大
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中華圏の映画が賞を争う台湾で最も栄誉ある映画賞「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)の第54回授賞式が11月25日、台北市の国父紀念館で開かれ、受賞者・作品が発表される。今年は長編フィクション202本、長編アニメーション6本、ドキュメンタリー95本、短編フィクション217本、短編アニメーション56本の計576本がエントリー。授賞式を前に、最も注目が集まる長編フィクション部門のノミネート作品5本を紹介する。

今年は台湾の映画監督の作品が3作品ノミネート。昨年は作品賞のみならず、監督賞、主演男優・女優賞の主要4部門を全て中国大陸に持って行かれていただけに、台湾映画が作品賞を奪取できるのかには大きな期待がかかる。

大仏+(金馬奨提供)

大仏+(金馬奨提供)

大仏+(大仏普拉斯、台湾)

「大仏+」は社会の底辺で生きる中年男性2人を中心に、ブラックユーモアで台湾社会の現状と生活の様子を描き出した作品。ドライブレコーダーの映像をきっかけに物語が展開していく。今回最多の10部門にノミネート。同作は今年の台北映画祭でもグランプリをはじめ5部門を受賞しており、すでに高い評価を得ている。ホアン・シンヤオ(黄信堯)監督の長編フィクションデビュー作品。チュアン・イーツェン(荘益増)、チェン・ジューション(陳竹昇)が中心人物の中年男性を、レオン・ダイ(戴立忍)が下劣な工場オーナーを演じた。

血観音(金馬奨提供)

血観音(金馬奨提供)

血観音(台湾)

殺人事件をきっかけに、政財界で手腕を発揮する一家の女性3人を巡る愛憎劇が明るみに出ていくという物語の同作。ヤン・ヤーチェ(楊雅[吉吉])監督にとって「GF*BF」(女朋友。男朋友)以来の長編作品となる。主演は香港のカラ・ワイ(恵英紅)、台湾のウー・クーシー(呉可熙)、台湾生まれ北京育ちのヴィッキー・チェン(文淇)と両岸3世代の女優が集結した。今年の金馬映画祭のオープニング作品。金馬奨には7部門で候補に選ばれた。

相愛相信(金馬奨提供)

相愛相信(金馬奨提供)

相愛相親(中国大陸、台湾)

女優のシルヴィア・チャン(張艾嘉)が監督・主演を務める同作。父親の墓をめぐる女同士のいさかいを通じ、現代の中国大陸を舞台に3世代の女性を描く。金馬奨には7部門ノミネート。18日に開幕した第18回東京フィルメックスではオープニング作品に選ばれた。

軽鬆+愉快(金馬奨提供)

軽鬆+愉快(金馬奨提供)

軽鬆+愉快(香港)

まるで廃墟と化した中国大陸東北部の町に集う石けん販売員のふりをしたペテン師や偽の僧侶、母親探しをするキリスト教徒、疲れ果てた林務員、事件の解決ができない警察官などの交流を、中国大陸のゴン・チュン(耿軍)監督がブラックユーモアで描いた作品。作品賞のほか、監督賞、撮影賞、オリジナル映画楽曲賞の計4部門にノミネートされた。

天使は白をまとう(金馬奨提供)

天使は白をまとう(金馬奨提供)

天使は白をまとう(嘉年華、中国大陸)

複雑な境遇にいる2人の少女が強く生きていこうとする姿を中国大陸のヴィヴィアン・チュイ(文晏)監督が女性ならではの視点で描いた作品。第74回ベネチア国際映画祭ではコンペティション部門に選出された。金馬奨では3部門にノミネート。主演のヴィッキー・チェンは同作で主演女優賞、「血観音」で助演女優賞と弱冠14歳ながら2部門で候補入りを果たした。

(名切千絵)

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