台湾の権威あるテレビアワード「第52回ゴールデン・ベル・アワード」(電視金鐘奨)が9月30日に発表される。発表を前に、主要部門のノミネート者・作品を紹介していく。
◇長編ドラマ主演男優賞(戯劇節目男主角賞)
主演男優賞はウー・カンレン(呉慷仁)やラン・ジェンロン(藍正龍)ら近年の受賞者に加え、渋め俳優のファン・グアンヤオ(樊光耀)やリウ・ダーカイ(劉徳凱)、アイドル俳優のホンジャン(宏正)が賞を奪い合う。
◯ウー・カンレン
昨年「一把青」で主演男優賞を初受賞したウー・カンレン(34)。今年は「恋愛沙塵暴」でノミネートされ、2年連続受賞に期待がかかる。同賞ノミネートは3年連続。「恋愛沙塵暴」では、裕福な交際相手に振り回されるちょっと情けないサラリーマンをコミカルに演じた。
◯ラン・ジェンロンラン・ジェンロン(38)は「僕らのメヌエット」(妹妹)で2015年に主演男優賞を受賞して以来2年ぶり、通算4度目のノミネート。「姜老師,[女尓]談過恋愛嗎?」では病気の母親と発達障害を持つ弟を支える教師を好演。感情を抑え込みながら、どことなく不気味な雰囲気を持つ男を演じきり、これまでとは違った一面を見せた。
◯ホンジャン今回のノミネート者の中で最も意外性があったと思われるのはホンジャン(28)。アイドルグループ、スペシャル(SpeXial)のリーダーで、学園ドラマ「High 5 制霸青春」での演技が評価された。同作では、責任感あふれるバスケットチームキャプテンに扮した。金鐘奨ノミネートは初めて。
◯ファン・グアンヤオファン・グアンヤオ(42)はウー・カンレンと同じく「恋愛沙塵暴」でノミネート。一家の大黒柱として会社を経営する一方、妻とは離婚の危機を迎え、若い日本人女性との恋に落ちそうになるという人間味あふれる父親を演じた。金鐘奨は2005年にミニドラマ部門で主演男優賞を受賞。長編ドラマ部門の主演男優賞ノミネートは初めて。
◯リウ・ダーカイリウ・ダーカイ(64)は1970年代の眷村(戦後に国民党と共に台湾に渡った軍人やその家族が住んだ地区)を舞台とした「這些年那些事」で、男一人で子供を育てる退役軍人を演じた。近年は中国大陸を中心に活躍しており、今作で約20年ぶりに台湾ドラマ復帰を果たした。金鐘奨の主演男優賞ノミネートは1991年以来16年ぶり。
(名切千絵)