台湾の人気お笑いコンビ「浩角翔起」(ハオジアオシャンチー)の初主演映画「傻瓜向錢衝」。借金返済のため、興信所で借金取りとして働くことになった元々は見ず知らずの男性2人が、取り立ての旅の中で友情を育くんでいく…というストーリーだ。笑いあり、ほろっと涙ぐませるシーンもあり、心あたたまる軽やかな作品に仕上がっている。
監督と脚本を担当したのは、「湾生回家」のホアン・ミンチェン(黄銘正)監督。「アイス」(冰毒)などに出演した実力派女優のウー・クーシー(呉可熙)やベテラン俳優のシュー・ハン(徐亨)らが脇を固めた。
浩角翔起はハオズ(浩子、謝[火斤]昊)とアシャン(阿翔、陳秉立)により2004年に結成されたコンビ。現在はバラエティー番組やイベントで司会を務めるほか、ドラマ出演やCD発売など幅広い活躍を見せている。今作では、ハオズは勤務先の工場の保証人となったために多額の借金を背負った「昌仔」を、アシャンは投資に失敗し愛娘と離れ離れになった「阿宝」を演じた。
作中に多く登場するのは、麺店のカウンターで昌仔と阿宝が横に並んで食事をするシーン。中央社のインタビューでアシャンは、1カ月半の撮影期間はコンビ結成からこれまでで、会話と目を合わせる機会が最も多い時期だったと振り返る。撮影当初は、お互いを見るシーンはどうしても笑ってしまい、大変だったという。2人は同作をポジティブで元気を与える映画だと評価する。ハオズは、同作は台湾のローカルな精神を伝えているとし、鑑賞後に観客が自分自身にエールを送り、台湾人はすごいと感じてくれればと話した。
同作は今年7月に発表される第18回台北映画賞(台北電影奨)の長編フィクション部門にノミネートされている。