桃園市で2月22日から開催されている「台湾ランタンフェスティバル」(台湾灯会)。同フェスは1990年から続く元宵節(旧暦1月15日)の恒例行事。今年は台湾高速鉄道(高鉄)桃園駅周辺の一帯が会場となっており、総面積は過去最大の計32ヘクタールに上った。広大な敷地に連なるように色とりどりのランタンが飾られ、日が暮れると辺り一面は幻想的なムードに包まれていた。
同フェスのメインランタンは、毎年その年の干支をテーマにしており、今年はさる年にちなんで孫悟空をイメージ。左手には如意棒、右手には蟠桃(ばんとう)を持ち、筋斗雲に乗る姿が作り出された。高さは過去最大の26メートルを誇る。定時に行われる光のショーでは、LEDライトと最新技術を融合。圧倒的な存在感を放っていた。会場には、メインランタンエリアのほかに、6つのテーマエリアが設けられている。それぞれの代表的な作品を紹介していく。◇童話夢工場桃園市に設置されている工場の数は1万900軒以上で、生産金額は12年連続台湾一。同エリアでは23軒以上の観光工場と産業文化館が出展する22体のランタンを展示。人気アニメ「妖怪ウォッチ」のキャラクターなども展示されており、親子で楽しめるエリアとなっている。◇多元交流エリア桃園市に住む台湾原住民(先住民)は約6万7000人。東部・花蓮や台東に次ぐ多さとなっている。16の種族が暮らしており、エリアにはそれぞれの種族の伝統衣装を紹介する展示もされている。客家人の数は台湾で最も多い80万人近く。桃園の客家文化を広めようと、1.29ヘクタールの特設エリアを設け、文化の特色や精神を紹介している。同市を本拠地とするプロ野球チーム「ラミゴ」とのコラボレーションも。マスコットキャラ「猿気小子」が高さ8メートルのランタンで登場し、会場を盛り上げた。今年は開催以来初めて離島地域が同フェスに参加。金門や馬祖、澎湖の観光スポットなどがお目見えした。メインランタンエリアから多元交流エリアまでは徒歩で約30分。童話夢工場エリアと多元交流エリアを結ぶ無料シャトルバスも運行されていた。◇桃園故事エリア童話夢工場と多元交流エリアをつなぐ道には、桃園市の各区が出展する作品がずらり。光の通路を通じて、桃園の過去、現在、未来を伝えている。
◇メインランタンエリア◇宗教祈福エリア29の宗教団体が参加。エリア内にはお香のにおいもただよい、寺廟に来たような雰囲気に。このほか、科学技術と芸術の融合を図った「テクノロジー世界エリア」や公園の池を利用し、水上でのパフォーマンスも楽しめる「新桃花源エリア」もある。記者は台湾新幹線(高鉄)の時間が迫っており、1時間半ほどしか見る時間がなかったため、残念ながらこの2つのエリアはしっかりと見物できなかった。記者が訪問したのは開幕日の2月22日。この日は平日にも関わらず、会場は多くの見物客でごった返した。桃園市政府によると、開幕式には20万人が押し寄せ、1日の来場者数は130万人に上ったという。