第50回電視金鐘奨授賞式：男優賞・女優賞受賞者の声をお届け

◇主演男優賞はラン・ジェンロン（藍正龍）が初受賞

連続ドラマ部門の主演男優賞には「僕らのメヌエット」（妹妹）に出演したラン・ジェンロンが選ばれた。

ジェンロンはステージに上がると涙をこらえるようにしばらく沈黙。同席していた妻で女優のジェイド・チョウ（周幼[女亭]）に対して「人生の最も辛い時に目の前に現れ、僕と結婚し、可愛い子供を産んでくれてありがとう」と感謝を述べた。舞台裏では実はスピーチの内容を考えていなかったことを明かし、「人生においてはこだわりを捨ててはいけない」とこれまでの努力が認められたことに喜びを示した。また「家に帰って子供に会いたい」と今年5月に生まれた愛娘への溺愛ぶりも見せた。

審査員によると、以前のアイドル風のイメージを打ち破り、成熟した新たな一面を見せたことが選出の決め手。候補に挙がっていたヤン・イーチャン（楊一展）とクリス・ウー（呉慷仁）との間で熾烈な競争が繰り広げられていたという。

◇主演女優賞にはチュウ・チーイン（朱シ瑩）

日本統治時代から現代までを生きる客家人女性の姿を描いた「新丁花開」に出演したチュウ・チーイン（朱シ瑩）が主演女優賞を受賞。審査員によると日本語、客家語、中国語の3つの言語に挑戦し、安定感のある演技を披露したことが評価された。（シ＝草かんむりに止）

チーインは「第50回という歴史的な時に受賞できてうれしい」と話し、「初心を忘れないようにしたい」と今後も努力を続けることを誓った。

◇映画「セデック・バレ」に出演した台湾原住民俳優が助演男優賞

連続ドラマ部門の助演男優賞には「C.S.I.C鑑識英雄」に出演したスーダー（蘇達）が選ばれた。プレスルームにやってくると、かわいらしい笑顔を振りまき「長いこと待ちました」と念願の受賞に大喜び。スーはヒット映画「セデック・バレ」で花岡二郎役を演じており、その役のイメージから抜け出せなかったものの、新しい役に挑戦できたのに喜びを示した。また、「僕の名前はスーダー、ソーダグリーン（蘇打緑※バンド名）じゃないよ」とのジョークも飛び出し、ユーモラスな個性を見せつけた。

◇キャッシュ・チュアン（荘凱[員力]）はミニドラマ・テレビ映画部門主演男優賞に

これがキャッシュにとって初の賞。「公視人生劇場-回家路上」と「公視学生劇場-出遊」の2作品でダブルノミネートを果たし、「回家路上」での受賞となった。「他の候補者はみんな優秀だから、誰が取っても嬉しいと思っていた」と謙虚に話しつつも、名前を呼ばれた時は頭が真っ白になったと笑顔を見せた。同作で思春期の娘を持つ同性愛者の役を演じたキャッシュ。難しさについて質問されると、実は同性愛も異性愛も愛という部分では一緒なため、その部分は大変でなかったが、自分に子供がいないので父親役のほうが難しかったと話した。賞金10万台湾元の半分はスタッフに食事をごちそうし、残りの半分は先日事故で亡くなった有名登山家に寄付するという。