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中国作品の金馬奨参加危ぶむ声 文化相「映画製作者の尊重を」/台湾
【政治、芸能スポーツ】  2018-11-19  17:05
(台北 19日 中央社)中国語映画の祭典「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)の授賞式で台湾と中国の関係をめぐる政治的発言がされたのを受け、今後の金馬奨に中国の作品が参加しなくなるのではないかとの懸念が持ち上がっている。鄭麗君文化部長(文化相)は19日、「金馬奨は全ての中国語映画製作者を歓迎する」と述べ、中国政府に対し、背後で政治的な力を使うのをやめ、映画製作者を尊重するよう訴えた。

17日に台北市内で開かれた授賞式では、両岸関係にからむ社会運動にスポットを当てた「我們的青春、在台湾」でドキュメンタリー賞を手にしたフー・ユー(傅楡)監督が受賞スピーチで「われわれの国家が真の独立した個体としてみなされることを願う」と発言。その後、主演女優賞のプレゼンターを務めた中国の俳優トゥー・メン(ト們)が「再び『中国台湾』金馬奨に来られたことを光栄に思う」「両岸が一つの家族であることを感じた」と述べた。(ト=さんずいに余)

式典後に開かれた金馬主催のパーティーは、ほとんどの中国の俳優、監督らが欠席し、賞を獲得した中国映画の打ち上げパーティーでは報道陣は締め出された。翌18日には中国女優のジョウ・シュン(周迅)が予定されていた記者会見への出席を取り止め、複数の中国の俳優が足早に台湾を離れた。(ト=さんずいに余)

鄭部長は19日、立法院(国会)教育・文化委員会開会の前に報道陣の取材に応じた。創作の自由の尊重が金馬奨の精神だと説明した上で、受賞者がステージ上で創作理念を自然に紹介することは感動を与えるものだと言及。中国の映画人の発言について、態度を表明しない自由がなかったり、他の要素があったりするのかもしれないと同情を示しながらも、尊重されていない感覚を台湾人に与えたと遺憾の意を表した。

委員会では与野党の立法委員(国会議員)から騒動について質問が飛んだ。鄭部長は、今後の金馬奨への中国作品の参加を危ぶむ見方に対し、中国の政策に関するコメントを控えるとしながらも、一部の中国作品が本国で上映できない実情に触れ、中国の映画製作者が金馬奨を重視しているのを近年目の当たりにしてきたと語った。

金馬奨は台湾で1962年に創設された映画賞で、今年で55回目を数える。世界中の中国語、華人映画を対象としており、中華圏で最も名誉ある映画賞の一つになっている。

(鄭景ブン/編集:名切千絵)
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