2・28事件で銃殺された弁護士の旧宅を守れ 有志がクラファン/台湾

【観光】 2020/05/14 17:50 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
湯徳章氏の旧宅=台南市文化資産保護協会提供

湯徳章氏の旧宅=台南市文化資産保護協会提供

(台南中央社)戦後間もない頃に発生した「2・28事件」で国民党政権が市民を弾圧する中、自らの命を犠牲にして人々を守った南部・台南市の弁護士、湯徳章(日本名:坂井徳章)氏の旧宅を、民間から資金を集めて購入し、記念館として再活用することを目指すクラウドファンディングが始まっている。

警察官だった日本人の父親と台湾人の母親を持つ湯氏は、日本統治時代の1907(明治40)年に台南で生まれた。日本で法律を学び、司法試験に合格した後、郷里に戻って弁護士になった。2・28事件がぼっ発した47年には、治安維持のために奔走して地元の人々の信頼を集めたが、突如逮捕され、3月13日に公開処刑された。決起しようとしていた台湾人エリートや学生の名簿を焼却し、厳しい拷問にも屈しなかったという。

市の中心部に位置する湯氏の旧宅には、歴史的な有名人ゆかりの地として「湯徳章故居(旧宅)」の看板が掲げられている。だが、所有権はすでに他者に譲渡されて久しい。今年4月、再度所有者が変わったことで、取り壊される可能性が浮上。文化財として登録されておらず、家主の一存で建物の処分が決まってしまうことを懸念した地元の文化財保護団体の提案により、同市文化資産管理処が同月中旬、暫定古跡に認定した。

クラウドファンディングは、文化財登録を提案した「台南市文化資産保護協会」が地元の有志や湯家の子孫らと共に11日にスタートさせた。民間から資金を募って同宅を購入し、記念館にする構想で、まず29日までに頭金分の1000万台湾元(約3600万円)を集め、名義を書き換えることを目指す。これをクリアした後も所有権の取得や不動産の信託などにさらに1000万元が必要で、これを集めるための第2段階の募金も予定されているという。

14日午後5時時点、賛同者から約200万元(約710万円)が集まっている。

(張栄祥/編集:塚越西穂)