台湾製の緩急車、半世紀以上過ごしたタイを離れて里帰り

【観光】 2018/10/05 15:18 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
台北機廠鉄道博物館に保存されることになる緩急車「BV.15092」

台北機廠鉄道博物館に保存されることになる緩急車「BV.15092」

(台北 5日 中央社)台湾鉄路管理局(台鉄)が50年以上前にタイに輸出した緩急車1両が3日、北部・基隆港に到着した。今後、文化部(文化省)が整備を進める台北市内の台北機廠鉄道博物館に陳列される。鄭麗君文化部長(文化相)は、台湾の鉄道産業の発展や製造技術を伝えるものだとして同車両の“里帰り”を歓迎。今後も鉄道文化資産の保存に力を注ぎ、同館を次世代の鉄道文化の拠点として土地や人々の記憶を再現したいと意欲的に語った。

緩急車は貨物列車の両端に連結する、ブレーキを取り付けた車両。里帰りした車両番号「BV.15092」の車両は1965年に台鉄がタイ国有鉄道に納品した100両のうちの1両。63年に行われた入札には、台湾のほか、日本、英国、フランスなど9カ国、22社が参加。落札した台鉄が64年に契約を交わし、台北機廠で100両を製造した。台鉄初めての鉄道車両の輸出例で、台湾鉄道史の重要な一部といえる。100両のうち、台湾に保存されているものはこれまでなかった。

文化部(文化省)の在外文化機関、駐タイ台北経済文化弁事処文化組は昨年末、タイ国有鉄道の協力の下で1両を探し出し、買い戻しを決めたという。

日本統治時代の台北鉄道工場を前身とする台北機廠。2013年の工場移転をもって80年近くの歴史にピリオドが打たれた。今後、台北機廠鉄道博物館として生まれ変わる予定。館内には、東日本旅客鉄道(JR東日本)から台湾に寄贈された583系特急寝台電車や「英国の貴婦人」と呼ばれる英国製のEMU100型電車、DR2100型気動車、S200型/S400型電気機関車、25C10000型代用客車などが収蔵されている。

(台北 鄭景ブン/編集:塚越西穂)