(高雄 11日 中央社)高雄市政府文化局は10日、解体作業が行われていた市内の日本統治時代の建物を「暫定古跡」に認定し、当面の保存を決めた。建物の文化資産としての価値を調査し、家主と保存の可能性などについて話し合いを行う方針だという。
この建物は、同市鹽[土呈]区新楽街にあり、文化資産としての価値の検討が必要なものとして同局の「追跡リスト」に登録されていた。れんが造りの壁が特徴的で、建てられてから70年以上経過しているとみられる。一部メディアによると、1階は3代続く老舗の麺屋で、地元民から親しまれていた。文化局は10日午前、この建物が間もなく解体されると市民から連絡を受けた。同局職員が現場に向かったところ、すでに2階の一部が取り壊されていた。
同局はこの建物について、現段階では保存価値の有無を判断するための史料が不十分だと説明。暫定古跡としての認定を決めたのは、建物の解体を防ぎ、家主と話し合う時間を設けるのが目的だという。
この日、解体作業を目撃した市民がフェイスブックに写真を投稿。投稿には、元の姿が失われたことを惜しむコメントが多く寄せられた。
(程啓峰/編集:楊千慧)