日台ハーフの91歳女性に念願の卒業証書 戦乱で受領できずに75年

【社会】 2020/07/15 18:03 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
静修中学の蔡校長(右)から卒業証書を受け取る日本人女性=同校提供

静修中学の蔡校長(右)から卒業証書を受け取る日本人女性=同校提供

(台北中央社)日本統治時代の台湾で旧制高等女学校を卒業した日台ハーフの女性(91)が13日、第2次世界大戦下の混乱で受け取れなかった母校の卒業証書を75年ぶりに受け取り、長年の夢をかなえた。

女性が学んだ静修女学校(台北市)は、1916(大正5)年に開校した台湾初のカトリック系女子校。近年は男子生徒も受け入れており、今年1月に静修中学(中高一貫校)に改名した。

同校の蔡英華校長によれば、女性は1929(昭和4)年、広島県呉市で、台湾人の父親と日本人の母親の間に生まれた。6歳で台湾に移り住み、台北の小学校を出て同校に進学したが、1945年3月の卒業式当日に空襲に遭い、式は台無しに。そのまま終戦を迎え、日本に引き揚げた。結婚後は夫婦でマカオに渡り、10年前から台湾で暮らしている。母校には特別な思い入れがあり、証書がないことをずっと気に掛けていたという。

これまでも、戦乱で証書をもらえなかった生徒に対応してきた同校。今回は、同校OGや日本人留学生らの働き掛けによって女性の切なる願いを知り、校長の名前やレイアウトなどを忠実に再現した証書を作成。晴れて“卒業生”となった女性は「とてもうれしい」と喜び、関係者に感謝した。

(梁珮綺/編集:塚越西穂)