首里城の玉座復元に携わったベテラン木彫り職人、国家工芸賞を受賞/台湾

【社会】 2019/11/10 19:46 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
葉経義さん

葉経義さん

(台北中央社)伝統工芸でめざましい功績を残した人を表彰する「国家工芸成就獎」の授賞式が9日、台北市内で行われ、ベテラン木彫り職人、葉経義さんに同賞が贈られた。約70年のキャリアを誇る葉さん。国内で寺廟の彫刻や歴史的建造物の復元に長年携わったほか、首里城の玉座の復元に参加した経験も持つ。

10代半ばで修行を始め、弟子入りして間もないころから才能を開花させた。仏像や寺廟の装飾彫刻など、その細やかさで人々を魅了する作品の数々は、伝統を受け継ぎつつ、個性も光らせている。修復を手掛けたものには、台北・西門町の紅楼劇場や南部・高雄にある国定古跡、鳳山龍山寺などがあり、1991年には日本からの招請を受け、首里城の復元プロジェクトに参加。正殿の中にあった琉球国王の玉座である御差床(うさすか)や椅子の彫刻に携わった。

この日は車いすで授賞式に出席。高齢で言葉が不自由なため、息子の光洲さんが代わってあいさつした。光洲さんは、この賞を取れないことが人生最大の心残りだと数年前、父は話していたと紹介。言葉で表現できないが、とても喜んでいると経義さんの気持ちを代弁した。

光洲さんによれば、首里城の復元で経義さんが琉球国王の椅子の試作品を日本側から見せられた際、角ばった形をしていた。だが、国王の肖像画、御後絵(おごえ)を参考に15世紀から17世紀にかけて多く作られた、曲面の多い「明式椅子」のようなデザインだと経義さんは推測し、木工や彫刻を手掛けたという。

鄭麗君文化部長(文化相)は、経義さんが台湾の工芸の奥深さを世界に見せてくれたとして、最大限の敬意を表すと述べた。

(鄭景ブン/編集:楊千慧)