サイエンスパーク内の考古博物館、19日に正式開館/台湾・台南

【社会】 2019/10/18 11:32 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
鉄器時代蔦松文化(1800年~1300年前)のものとされる土偶

鉄器時代蔦松文化(1800年~1300年前)のものとされる土偶

(台北、台南中央社)南部・台南市のサイエンスパーク、南部科学工業園区(南科)台南園区内に建設された国立台湾史前(先史)文化博物館(史前館)南科考古館が19日、正式に開館する。開館記念として、1300年以上前に同地で暮らした人の容貌を伝える土偶など500点余りの文物が展示される。15日に同館を視察した黄偉哲台南市長は、科学技術の拠点である南科にできた同館は、固い印象のある工業園区に文化の息吹をもたらすことができるだろうと述べ、来館を呼び掛けた。

同市政府によると、南部園区の開発案がまとまった1995年、建設予定地から古代文明の遺跡が見つかった。中央研究院や史前館による調査を経て、5000年前から300年前までの各時代の遺跡が多数あることが判明し、可能な限り保存する方向で開発が進められてきた。

これまでに発掘された遺跡は、新石器時代前期の大ホン坑文化に属する南関里東遺跡(5000~4300年前)や新石器時代後期・大湖文化の牛尿港遺跡(2800~2100年前)、鉄器時代・蔦松文化の道爺南糖●遺跡(1800年~1300年前)など60カ所近くに上る。これらの文物を専門に収蔵する博物館として、南科考古館の建設が2007年に計画され、14年に着工。昨年末にソフトオープンし、試験的な運営が続けられていた。(ホン=分の下に土、●=まだれに部)

展示品の目玉の一つは、蔦松文化のものとされる、人面をかたどった土偶。はっきりした顔立ちで髪を編んでいるのが分かり、当時の人々の姿を表していると考えられる。このほか、牛尿港遺跡で見つかった188個のヒスイを連ねた装飾品や、南関里東遺跡で発見された炭化したイネなどにも注目が集まる。史前館の王長華院長はこのイネについて、人工的に栽培された米としては台湾最古である可能性が高いとし、5000年前の台湾ですでに稲作が行われていたことを物語るとの見方を示している。

南科考古館には常設展示室が4室、特別展示室が1室設けられたほか、研究者が文物を整理する過程をガラスを通して見学できる試みも台湾で初めて取り入れられた。特別展では先史時代の動物をテーマにした展示が来年5月31日まで開催される。月曜休館。

開館当日は無料で参観できる。

(鄭景ブン/編集:塚越西穂)