人生の転機は大地震 台湾最高齢女性救助隊員の奮闘記

【社会】 2019/09/19 14:11 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
林美霞さん

林美霞さん

(台北 19日 中央社)中部・南投県埔里在住で、今年70歳になる林美霞さんは、災害現場で活躍する台湾最高齢の女性救助隊員だ。20年前に発生した台湾大地震の被災者となったことで災害救助の重要性に気付き、救助隊員を志した。他の隊員と同じ重装備を背負い、同じ距離を歩いて、まだ現役であることを行動で証明している。

林さんは南部・台南生まれ。20代で結婚したが30代で夫と死に別れ、幼稚園の手伝いなどをしながら女手一つで6人の子どもを育て上げた。

母親以外にも、長年台湾の赤十字社「中華民国紅十字会」のボランティア水難救助員をしてきた一面を持つ林さん。娘と2人で水泳を習い始め、初心者レベルから救助員の資格を取得するまでに上達するなど、意志の強さを持ち合わせていた。

1999年9月21日午前1時47分、中部・南投県集集を震源とした台湾大地震が発生。近くの酒造工場の爆発により、燃え上がった炎が惨憺(さんたん)たる状態の路上を照らし、酒の匂いが空気中に充満していたと林さんは振り返る。そんな中、救出作業に当たる救助隊員の姿を見て感銘を受けたという。震災後、訓練に参加して隊員となり、これまでに2008年の四川大地震や09年の八八水害、16年の台湾南部地震など、国内外の災害現場で任務を遂行してきた。

「私に助けることができるなら、決して諦めない」と語る林さん。被災者に接する際には、自身の経験を踏まえて食事をきちんと取るよう諭したり、抱擁したりして家族のように寄り添い、励ますという。

人生を大きく変えた震災の経験を通し、生命の捉え方が前向きになり、人生の無常を悟ったと語る林さん。今でも水泳による体力作りに余念がない。震災に辛うじて耐えた自宅の客間には表彰状やメダルが所狭しと飾られており、林さんの20年間の活躍を伝えている。

(張茗喧/編集:塚越西穂)