日本語で高齢者が憩う場 台北のデイケア施設「玉蘭荘」30周年/台湾

【社会】 2019/09/16 17:58 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
玉蘭荘の会員とボランティアたち

玉蘭荘の会員とボランティアたち

(台北 16日 中央社)日本語によるデイケアサービスを提供するキリスト教系の施設「玉蘭荘」(台北市)は16日、創立30周年感謝礼拝を執り行った。施設には会員約40人が集まり、日本語で賛美歌を響かせた。

日本統治下で日本語教育を受けた「日本語世代」や、戦前に台湾人と結婚した日本人女性など、日本語を母語とする高齢者へのケアを目的に1989年9月、日本の宣教師によって設立された。会員数は約60人で、平均年齢は84歳。週に2回、牧師を招いて話をしたり、歌を歌ったり、さまざまな活動をしている。

賛美歌以外に演歌や童謡、民謡も歌われ、高齢者たちが日本語で交流する憩いの場となっている。会員たちは、日本統治時代に学校で習った歌を同世代の人と共に歌うことや、日本語で会話することを楽しみに通っているという。

1934(昭和9)年生まれで、日本統治下の国民学校で5年間学んだ陳旭星さんは、ここでの活動は「楽しい。懐かしい」と顔をほころばせる。設立当初から施設を知る大川四郎さんは、日本語を母語とする高齢者たちにとって文化的、知的な欲求を満たすことができる大切な場でもあると力を込めた。

一方で会員の高齢化は進んでおり、すでに90代を迎えている人も少なくない。施設の新たな方向性を模索しているところだといい、内片貴子・常務理事は、より多くの台湾の高齢者に施設の存在を知ってもらえればと語った。

(楊千慧)