30年前の切手、台湾に“帰郷” 高齢の日本人コレクターが希望

【社会】 2019/09/11 13:55 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
高齢の日本人男性が台北医学大学の学生らに託したストックブック=同大提供

高齢の日本人男性が台北医学大学の学生らに託したストックブック=同大提供

(台北 11日 中央社)80歳近い日本人男性が台湾で集めた切手を保存したストックブックが、台北医学大学(台北市)の学生らによって台湾に持ち帰られた。男性にはストックブックを託せる家族がおらず、このまま放置するのは忍びないと、台湾に戻すことを願っていたという。同大が10日、発表した。

同大によると、同大看護学部は毎年、海外研修プログラムを実施しており、今年は看護学科や高齢健康管理学科などに在籍する学生、院生ら10人が参加。一行は7月に大阪府の大阪医科大学を訪れ、到着日の歓迎会で切手の話を告げられた。

ストックブックの持ち主は、過去に仕事で台湾に約12年滞在していた男性。当時、現地での生活になじむため、同僚の勧めで1982年に切手収集を開始した。台湾の切手は美しいだけでなく、テーマもさまざまである上に中国語と英語の解説も付き、歴史や文化を理解するのに役立ったという。男性が94年に帰国した時、ストックブックは5冊になっていた。

この話を聞いたときは驚いたがうれしかったと話すのは、研修に参加した高齢健康管理学科の呉紹慈さん。男性は、あなた方に連れて帰ってもらいたいと言い、大切な品を一行に託したという。

同学科の劉芳副教授は、今の若い人は電子メールやSNSで連絡を取り合っていて手紙を書かず、切手を封筒に貼った経験も少ないと指摘。台湾の往年の文化と記憶が詰まったストックブックは学生を時間旅行に連れて行ってくれると語り、これも学習のうちだと歓迎した。

(許秩維/編集:塚越西穂)