日本統治時代のコーヒーの木、台東に今もなお そばに記念碑建立/台湾

【社会】 2019/08/22 13:57 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
柴田裕氏とコーヒーの木。奥右は赤い布で覆われた記念碑

柴田裕氏とコーヒーの木。奥右は赤い布で覆われた記念碑

(台東 22日 中央社)東部・台東県海岸部の東河郷の山中で21日、日本統治時代に植えられたコーヒーの木を記念する石碑の除幕式が行われた。木はキーコーヒーの創業者、柴田文次氏が植えたとみられており、日本からも同社3代目社長である孫の柴田裕氏ら関係者が出席した。

裕氏によると、日本政府は1910年代、台湾でのコーヒー栽培を奨励。東河郷には、文次氏が台湾で経営していたコーヒー会社の農園があったという。9歳で祖父と死に別れた裕氏は、両親らの口を介して文次氏の台湾での仕事ぶりを知り、3年前にルーツを求めて同地区を訪れ、コーヒーの木を発見した。この事情を同郷公所(役所)に報告したことが、記念碑設置につながったという。木には「百年コーヒーの老木」という看板もつけられた。

同郷では現在、ブンタン(文旦・ザボン)やオレンジの栽培が盛んで、コーヒーの栽培は行われていない。葉啓伸郷長は、裕氏を通じて初めて木の存在を知ったと語り、これを機に観光推進や環境保全に力を入れるほか、案内員も育成してこの歴史を語り続けていくと意欲を示した。

(盧太城/編集:塚越西穂)