日本統治下の台湾文学界と世界の交流を考察 台中で企画展

【社会】 2019/06/28 18:07 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
「風車詩社」のメンバーら=目宿媒体提供

「風車詩社」のメンバーら=目宿媒体提供

(台北 28日 中央社)日本統治時代に日台の詩人によって結成された「風車詩社」を中核として企画された展覧会が29日から、国立台湾美術館(台中市)で開かれる。絵画や彫刻、書籍、音声資料、文物などを展示し、20世紀初頭から1940年代にモダニズム文学が西洋や東アジアで巻き起こしたブームについて掘り下げることで、植民地下にあった台湾の文学者の世界とのつながりや歴史的事件が台湾の文学者に与えた影響を考察する。

風車詩社は1933年に創設された詩社で、日本統治下の台湾でシュルレアリスム(超現実主義)を提唱していた。台湾の文学界に新たな風を呼び込み、当時の台湾が日本や世界と同じ文学的視野を有していたことの象徴となった。だが植民地支配下では理解されず、詩社は星のように消えていった。戦後、詩人らは迫害を受けて時代の渦に埋もれ、1970年代になってようやく再び日の目を見るようになった。2015年には、同詩社をテーマにしたドキュメンタリー映画「日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち」(日曜日式散歩者)が台湾で製作された。

同展は、「日曜日~」のホアン・ヤーリー(黄亜歴)監督が主要キュレーターを担当し、仏文学者の巖谷國士氏や孫松栄・台南芸術大教授が共同キュレーターを務めた。

展示品は、詩社のメンバーの遺族や台湾文学館、中央研究院台湾史研究所のほか、東京国立近代美術館や福岡県立美術館、東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館から貸し出された。

「共時的星叢:『風車詩社』与跨界域芸術時代」は9月15日まで。会期中には、キュレーターによる解説や座談会なども開かれる。

(鄭景ブン/編集:名切千絵)