山岳地帯唯一の先史集落跡、国の遺跡に/台湾・南投

【社会】 2019/06/27 18:31 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
南投県が「曲冰考古遺跡」の前に立てた案内板=同県文化局提供

南投県が「曲冰考古遺跡」の前に立てた案内板=同県文化局提供

(南投 27日 中央社)中部・南投県仁愛郷に位置する台湾の山岳地帯で唯一の先史集落跡「曲冰考古遺跡」(海抜700~900メートル)が、国の遺跡に認定されることが決まった。同県政府文化局が25日に発表した。遺跡は現在、保存のために埋め戻されており、今後、遺跡公園として整備される見通し。

同局や文化部(文化省)の資料によると、同遺跡は先住民が海岸から盆地に入り、さらに山地を開拓した歴史を伝えるもので、1981年から87年にかけて発掘調査が計3回行われた。発掘面積は3700平方メートルに及び、先史時代の集落跡が完全かつ良好な状態で見つかっている。3000~2300年前と1300~1000年前の2つの時期にそれぞれ人類が居住していたとみられ、住居跡48カ所、石棺墓171基などを含む多くの遺物や遺構が出土した。昨年同県の考古遺跡に登録されたが、文化部(文化省)が希少性の高さを評価して今年5月、国の遺跡への昇格を決めた。

同局によれば、同遺跡は台湾の考古学研究史上において初めての山岳集落構造であり、研究価値が極めて高い。出土品の一つである玉製品は、原料となるヒスイの産地が東部にあり、同じ東部の花蓮県万栄郷・平林遺跡、同寿豊郷・重光遺跡などで見つかったものと製法が似通っている。このことから、当時の人々が台湾を東西に分ける中央山脈を越えて交流していた可能性があることが分かるという。

(蕭博陽/編集:塚越西穂)