台湾の大型書店で「覆面本」が人気 売り上げトップ10入り

【社会】 2019/05/09 17:17 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
台湾の出版社「悦知文化」が刊行した覆面本=同社提供

台湾の出版社「悦知文化」が刊行した覆面本=同社提供

(台北 9日 中央社)書名や著者名を伏せて販売する日本発祥の「覆面本」が、台湾の読書好きの関心を集めている。今年4月に大手書店「誠品書店」の書棚に並んだある翻訳小説は、同月21日までの売上ランキングで文学・翻訳作品部門の7位に躍り出た。

覆面本を出版したのは「悦知文化」(台北市)。全6冊で、編集者が昨年度の出版物から厳選した。中が見えないように包装してあり、表面にテープで止められた編集者の手書きの紹介文だけが内容を知り得る唯一の手掛かりとなる。この手法は岩手県盛岡市内の書店が2016年に「文庫X」として企画したもので、これに触発された同社は17年から台北市内で開催される本の祭典「台北国際ブックフェア」(台北国際書展)で試験的な販売を行うなどして構想を温めてきた。

同社の葉怡慧編集長は、台湾で昨年出版された新刊本が約4万冊に上ることに言及し、出版社はそれらの本が書店に並ぶまでに作者や翻訳者、装丁、セールスなどさまざまな関係者と対話するものだと話す。その一方で、読者には直接「どのような本なのか」「なぜこれを出版するのか」などのメッセージを伝えることはこれまでできなかったとし、覆面本を通じて本に対する編集者の思いが最短距離で読者に伝わることに期待を寄せた。

(陳政偉/編集:塚越西穂)