故チー・ポーリン監督の資料館、北部・淡水に開館 特別展開催/台湾

【社会】 2019/04/23 18:45 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
22日に開館した「齊柏林空間」が入る「得忌利士洋行」の1棟

22日に開館した「齊柏林空間」が入る「得忌利士洋行」の1棟

(新北 23日 中央社)ヘリコプター墜落事故で2017年6月に死去した映画監督、チー・ポーリン(齊柏林)さんを記念する資料館「齊柏林空間」が22日、北部・新北市淡水に開館した。チー監督が生前撮影した映像を収蔵するほか、テーマを不定期に変える企画展も開催する。設置を推進した「看見・齊柏林基金会」は、チー監督が形を変えて存在し続け、見る人に台湾の姿をずっと伝えていければと期待を示した。

全編空撮によるドキュメンタリー映画「天空からの招待状」(看見台湾、2013年)で知られるチー監督。美しい台湾の風景を伝えるだけでなく、過度の開発による自然破壊にも警鐘を鳴らし、ドキュメンタリーとしては異例の大ヒットとなった。続編を制作していたが、撮影中にヘリコプターが墜落。52歳で亡くなった。

「看見・齊柏林基金会」は、チー監督の精神を受け継ぎ、作品の保存や環境教育の推進を目指す民間団体。淡水古跡博物館を形成する古建築の一つ、「得忌利士洋行」の1棟に「齊柏林空間」を開設するプロジェクトを立ち上げ、昨年末にインターネットで賛同者から資金を集めるクラウドファンディングを開始。2カ月ほどで8000人余りから約2000万台湾元(約7200万円)が寄せられた。

同基金会の欧晋徳董事長(会長)は淡水を選んだ理由について、チー監督は空撮を終えて台北松山空港に戻る途中、淡水の河口上空を通るのが大好きだったというエピソードを紹介。資料館にふさわしい場所探しに苦労したが、淡水を訪れてここだと直感したと明かし、チー監督が「自ら選んだ」気がすると振り返った。その上で、チー監督が台湾の歴史の一部として記憶されればと期待を寄せた。

同日から始まった企画展では、チー監督が25年間かけて撮りためた30万枚以上の空撮写真や映像の中から、山をテーマに選んだ作品を展示。台湾の山岳やチー監督が使っていた器材、仕事環境なども紹介する。来年1月1日までの開催。

(王鴻国/編集:塚越西穂)