絶滅が伝えられていた台湾のウンピョウ、台東で目撃情報が相次ぐ

【社会】 2019/02/28 17:00 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
台湾博物館(台北市)が所蔵するウンピョウの標本

台湾博物館(台北市)が所蔵するウンピョウの標本

(台東 28日 中央社)国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストですでに台湾の個体群は絶滅したと記されているウンピョウの目撃情報が東部・台東県で相次いでいる。林務局台東林区管理処の黄群策副処長によれば、ウンピョウは数十年間存在が確認されていなかったという。黄氏は目撃証言を重視する姿勢を見せ、積極的に調査を進めたいと意欲を示している。

地元の環境や先住民文化に重点を置いて活動する台東県南島社区大学発展協会の高正治理事長によると、ウンピョウを目撃したのは台湾原住民(先住民)パイワン族の集落「安朔部落」の山間パトロール隊。先住民の伝統領域を守ろうと昨年6月に結成され、これまでに2チームの隊員がウンピョウと遭遇した。目撃者は「木の上を歩いていたウンピョウが崖の上のヤギに襲い掛かった」「移動中のバイクの前を横切って木に登り、すぐに姿を消した」などと証言しているという。中央社の電話取材に応じた同部落の要人はこの事実は認めたが、詳細な時間や場所は明かさなかった。

台湾のウンピョウをめぐっては、個体確認のための調査が1990年代後半から20年近く行われていたが、期間中その姿をカメラに捉えることができなかったほか、足跡や死骸なども見つからなかった。2013年には台湾では絶滅したと報道されたが、学者の間では見解が一致していない。林務局が作成する陸生動物の絶滅危惧種リスト「陸域保育類野生動物名録」への記載は続けられている。

「ウンピョウは存在する」との考えを示すのは、台東大学(台東市)生命科学科の劉炯錫教授。ウンピョウは警戒心が強く、安易に捕獲できないため、長期間存在が確認されなくてもおかしくないと説明。1998年に先住民ブヌン族に関して行った調査で、野生動物の保護を目的とした「野生動物保育法」の罰則を恐れ、捕獲したウンピョウを焼いたと語った人物がいたことも分かったと明かした。

(盧太城/編集:塚越西穂)