政治大の蒋介石像の一部が切断される 自称学生団体が犯行声明/台湾

【社会】 2019/02/22 19:27 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
一部が切断された蒋介石の騎馬像

一部が切断された蒋介石の騎馬像

(台北 22日 中央社)台北市の政治大学で22日早朝、裏門付近にある蒋介石の騎馬像の馬の左脚が切断され、右脚に赤いペンキがかけられているのが見つかった。台座には「2・28事件を忘れるな」と書かれた布が掛けられていた。「移行期の正義に関心を寄せる大学生の集まり」を自称する団体が同日、フェイスブックに犯行を認める声明を投稿した。

団体は声明で、与党・民進党が2017年に権威主義の象徴を取り除くことをうたった「移行期の正義促進条例」を制定したにも関わらず、独裁者を尊ぶ行為が校内に存続していると指摘し、同大に銅像の撤去を要求。「行動で移行期の正義を支持する」と団体の姿勢を表明し、これを機により多くの議論がなされ、社会全体がよりよい方向に進むことを希望するなどとつづった。

同大の何頼傑主任秘書は同日、器物損壊で告訴する意向を示し、破壊された銅像については同大が費用を立て替えて修復した後、賠償を求めると述べた。同大の学生の犯行だった場合は処分について検討するとしている。

過去の国民党一党独裁政権の下で行われた人権侵害や真相究明などを目指す独立行政機関「移行期の正義促進委員会」(促進転型正義委員会)は同日、「権威主義のシンボルを処理するのは同委の職責」とした上で、若い世代が結果を急いで自ら破壊行為に及んでしまう気持ちは「理解できるが遺憾に思う」とする声明を発表。台湾各地で類似の事件が発生していることにも言及し、個々を単一事件とみなすことはできないとした上で、移行期の正義を台湾でどのように実行していくかが課題だとの見方を示した。

同委の統計によると、台湾全土の公共の場所には計1053基の蒋介石像があり、学校内に設置されているのは513基と約5割を占める。政治大は国民党幹部の養成を目的とした中央党務学校が前身で、初代校長は蒋介石。同大には蒋介石像が2基設置されていたが、近年では、国民党政権が1947年に市民を弾圧した「2・28事件」が発生した2月28日前後になると抗議の声が寄せられるようになり、このうちの1基は昨年、他所に移された。

(游凱翔、劉建邦/塚越西穂)