鉄道宿舎群活性化へ 方向性は未知数=日本時代に形成開始/台湾・彰化

【社会】 2019/02/12 17:52 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
鉄道宿舎群の一角

鉄道宿舎群の一角

(彰化 12日 中央社)中部・彰化県の観光名所、彰化扇形庫の道を挟んだ向かい側には、日本統治時代から形成が始まった鉄道宿舎群が残されている。一時は取り壊しの危機に面したが、市民団体の取り組みにより先送りされ、県の文化景観に登録された。活性化が期待されている一方で、具体的な活用法はまだ決まっていない。

文化部(文化省)の資料によると、宿舎群は1922(大正11)年、主に鉄道職員やその家族の住居として建設が始まり、集落内には集会所や浴場、売店、理髪店、幼稚園、防空壕など公共施設も整備された。台湾で現在最も完全な状態で保存されている鉄道宿舎群だという。日本統治時代から戦後、米国から経済援助を受けた時代を経て、日本式や米国式など様々な様式の建築物が立ち並ぶ。

都市再開発のため、宿舎群の大半の建物を取り壊すことが2011年に決まっていたが、保存を求める市民団体がインターネットを通じて署名活動などを行い、県や宿舎群を所有する台湾鉄路管理局(台鉄)に働きかけた結果、一部の取り壊しが見送られた。宿舎群に残る63棟の建物は昨年4月に県の文化景観に、段長宿舎と防空壕は同10月に歴史建築に登録された。

市民団体は2017年12月から1年間、集落内で文化イベントを毎月開催し、地域を盛り上げてきた。団体の代表は「イベント開催には、地域住民や行政に宿舎群の今後の発展の可能性を知ってもらう狙いもあった」と語る。

県文化局の張雀芬局長は宿舎群の今後の活用について、台鉄から修正済みの保存原則の提出を待っている段階だとし、再利用の方向性について各方面からの意見を歓迎する姿勢を示した。

(呉哲豪/編集:名切千絵)