(台北 18日 中央社)財政部(財務省)が公表した遺産相続に関する最新統計で、息子を優先させる昔ながらの風習が社会に根強く残っていることが分かった。2017年の相続案件は8271件で、このうち相続人は男性が5301人と約64%を占めた。同部は、被相続人が主に男性であるために、相続人も男性が多くなっているのではないかと分析している。
台湾では法律で、男女の分け隔てなく遺産相続の権利を持つことが明文化されている。だが、統計によると、2017年に相続を放棄した人のうち、約56%が女性で、同部によれば、13ポイント近い男女の開きは例年ほぼ変っていない。家財は「一家の姓を継承する者」に継がせるもので、娘には渡さないとする古来の風習や概念が社会からなくなったわけではないことが浮き彫りになった。
相続放棄者の性別を地域別で見た場合、南部の嘉義市と離島の連江県を除く全ての県・市で、女性が男性を上回った。特に、農業県とされる北東部の宜蘭県(62.5%)、中部の南投県(62.2%)、雲林県(59.7%)や、離島の澎湖県(59.8%)などでこの傾向が顕著だった。
(邱柏勝/編集:塚越西穂)