「中国のバスで関空から脱出」 デマ投稿の大学生、罰せられず/台湾

【社会】 2018/12/16 14:09 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
共同通信社提供

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(台北 16日 中央社)今年9月に台風21号の影響で関西国際空港に多くの人が取り残された際、「中国が派遣したバスで関空から脱出した」など事実と異なる情報をインターネット掲示板「PTT」に投稿し、「社会秩序維護法」に違反した疑いが持たれていた大学生について、台湾南投地方法院(地裁)は15日、証拠不十分として罰しないとする決定を下した。

9月初旬、関空内に取り残された旅行客への対応をめぐり、台湾内では台北駐大阪経済文化弁事処(総領事館に相当)の支援が不十分だったとの批判が上がった。同14日には、同処の処長を務めていた蘇啓誠氏が自殺。批判を苦にしての自殺とみられている。

この大学生は8月30日から9月12日にかけて大阪を旅行で訪れていたことは認めたが、投稿を行ったアカウントは自身が申請したものではないと主張。自身はネットへの投稿もしていないと訴えた。地裁は警察側が提出したアカウントの身分に関する証拠などから、事実と異なる情報を拡散したのはこの大学生だと認定。だが、これらの情報が人々を恐怖に陥れ、「公共の安全に影響を与えた」とするには証拠不十分だとした。

外交部(外務省)は15日、地裁の判断に対し「受け入れがたい」とするコメントを発表。事実と異なる情報が拡散されたことで救助活動に影響を及ぼした上、政府のイメージが傷つき、最終的には不幸な事件が起きてしまったと指摘。外交部や関連機関は今回の事件における最大の被害者となったとの立場を示した。

謝長廷駐日代表(大使に相当)は15日、メディアの取材に対し、今回の件を通じて社会は教訓を得るべきだと語り、情報の真偽を確かめずに批判の声を上げることに異議を唱えた。

(呉哲豪、葉素萍、楊明珠、劉建邦/編集:楊千慧)