旧軍用地に芸術施設誕生 蔡総統「空間の民主化」/台湾・高雄

【社会】 2018/10/13 19:17 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
蔡英文総統

蔡英文総統

(高雄 13日 中央社)南部・高雄市に建設された国立芸術施設「衛武営国家芸術文化センター」が13日に開館した。式典に出席した蔡英文総統は、同センターが位置する「衛武営都会公園」がかつて軍事基地で、民間団体の20年以上にわたる努力の末に生まれ変わったという歴史に触れ、同センターの落成は「空間の民主化」を象徴する出来事であると述べて喜びを示した。

衛武営都会公園の前身は、日本統治時代に日本軍が軍事物資や武器などを備蓄した「鳳山倉庫」。戦後、中華民国政府に接収されて国軍の新兵訓練所として使われた。国防部(国防部)が1979年、基地の移転を決めたのを機に、土地利用についての議論が白熱化。住宅、商業施設として開発する案や大学建設案などが出されたが、都会の緑被率(緑で覆われた土地の面積割合)増加を目指す市民団体が公園化を訴え、1990年代に展開された市民活動「南方緑色革命」につながっていった。

この活動に身を投じた曽貴海氏によると、当時、高雄市民1人当たりの公園面積は2平方メートルに満たなかった。都市の肺となる空間を求める人々が立ち上がり、92年に「衛武営都会公園促進会」が発足。曽氏は同会の代表として市民フォーラムの開催など地道に活動を続けた。その結果、緑化への機運が高まり、内政部(内務省)都市計画委員会は2002年10月と翌03年1月の審議で公園化を決定し、10年には公園がオープンした。

オペラハウスやコンサートホール、劇場、リサイタルホールを有する衛武営国家芸術文化センターは、北部の国家両庁院(台北市)、中部の台中国家歌劇院(台中市)と共に、南部の芸術の中心的役割を担うことが期待されている。

鄭麗君文化部長(文化相)は、建設の発表から15年の歳月が費やされたと述べて同センターの開館を喜び、このことが地元における人材育成につながり、南部の芸術が盛んになることに期待を寄せた。また、南部の人々が地元で世界レベルのパフォーマンスを享受できるとし、文化面での南北の不均衡が解消されると述べた。

(鄭景ブン/編集:塚越西穂)