小学校前の狛犬破壊 元台北市議への判決確定 懲役4カ月/台湾

【社会】 2018/10/09 16:16 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
破壊された逸仙小前の狛犬=読者提供

破壊された逸仙小前の狛犬=読者提供

(台北 9日 中央社)台北市内の小学校前に設置されている狛犬の石像を破壊したとして器物損壊罪に問われた元台北市議、李承龍被告に対する控訴審判決で、台湾高等法院(高裁)は9日、懲役4カ月の判決を言い渡し、刑が確定した。罰金支払いによる懲役の代替も選択可能。

判決によると、李被告は中国との統一を支持する「中華統一促進党」のメンバーで、台北市の逸仙小の校門両脇に日本文化を背景とする狛犬が設置されているのに不満を持ち、昨年5月28日夜、狛犬をかなづちで強く叩き、狛犬の多数箇所を損壊させた。共犯の女にも懲役4カ月が言い渡された。

昨年10月の一審・士林地裁判決では、両被告に懲役5カ月が言い渡されていた。両被告は刑の減軽と執行猶予の付与を求め、控訴していた。

李被告らは狛犬破壊の犯行について、「日本植民地時代、台湾の人々が軍国主義において下等国民とされたことに反対する政治的立場を表明するのが主な目的だった」と主張していた。

これに対して台湾高裁は、理念の表明はその他の平和的、理性的な方法でも可能であり、他人を侵害してはならないとし、犯行は、国が保護する言論の自由の最大の範疇を超えていると説明。狛犬の歴史的意義や文化的価値に言及した上で、両被告が日本統治時代の水利技師、八田与一の銅像破壊でも実刑判決を受けていることや、犯行を否認し、後悔の意もなく、小学校との和解や賠償も行ってない点に触れ、執行猶予は付けられないとした。

高裁は同日、李被告らの犯行の2日後の昨年5月30日に同じく逸仙小の狛犬を破壊した男2人にも器物損壊罪で懲役70日、同50日の判決を言い渡した。いずれも罰金支払いによる懲役の代替が可能。

(劉世怡/編集:名切千絵)