台風被害で村ごと移転した先住民 収穫祭で再建の成果伝える/台湾

【社会】 2018/08/16 15:59 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
西ルカイ族の人々による「小米(アワ)祭」の様子=屏東科技大提供

西ルカイ族の人々による「小米(アワ)祭」の様子=屏東科技大提供

(屏東 16日 中央社)南部・屏東県長治郷で15日、台湾原住民(先住民)ルカイ族の伝統行事「小米祭」(収穫祭)が行われた。祭りを行ったのは、かつて海抜約1200メートルの山間地にある阿礼村(同県霧台郷、長治郷の東約10キロ)で暮らしていた西ルカイ族の人々。2009年の「8・8水害」で甚大な被害を受け、ほぼ全員が平地への移転を余儀なくされたが、移転先でも長年の伝統を守り続けている。祭りでは、村を支援してきた屏東科技大学の指導の下で作られた土産品も展示販売され、生活再建の成果を伝えた。

同大森林学科の陳美恵教授によると、同大は当初、復興エコツーリズムの推進に力を入れ、阿礼、大武(いずれも霧台郷)など先住民が多く住む地域で受け入れ体制を整えてきた。3年前からは、大武の野生のアワや地鶏の商品化による一次産業、二次産業をサポートしている。今後も引き続き、森林資源など個々の村の特性を生かし、地元の経済活性化につなげるという。

阿礼村の大頭目(代表)、包基成さんによると、祭りでは、男の子が生まれた家を祝福したり、未婚の女性がブランコに乗ってお披露目をするほか、未婚の男性が当日早朝に意中の女性の家に届け物をし、女性の家族が祭りの場でそれを披露し、喜びを分かち合うなどの風習がある。包さんは、現在地に移転して以来「9年間、祭りを絶やしたことはない」と胸を張り、伝統継承への意欲を示した。

(郭シセン/編集:塚越西穂)