漫画家・鄭問さんの作品、実写映画化へ 2020年夏の公開目指す/台湾

【社会】 2018/06/07 12:02 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
「万歳」の実写映画化について語る プロデューサーの王子維さん(左)と貴金影業の林添貴董事長(会長)

「万歳」の実写映画化について語る プロデューサーの王子維さん(左)と貴金影業の林添貴董事長(会長)

(台北 7日 中央社)昨年3月に死去した漫画家の鄭問さんの作品「万歳」が実写映画化されることが5日、分かった。制作会社、貴金影業が台北市内で発表した。同社によれば現在は準備段階で、来年8月にクランクインし、同年末までに撮影を完了させる予定。2020年夏の公開を目指す。

鄭さんは1990年、春秋戦国時代の英雄たちを描く「東周英雄伝」で日本デビュー。東洋的な水墨画と西洋絵画の技法を融合させた独特のタッチで人気を集めた。

プロデューサーの王子維さんによれば、出版社に映画化の話を持ち掛けたのは鄭さんが存命だった2016年初頭のこと。元々鄭さんの作品のファンで、映画にしたいと考えたという。だが、当時は積極的に話を進めておらず、死去を受けて動きを加速させたと明かす。鄭さんの作品が正式に映像化されるのは初めて。

映画化される「万歳」は、現代香港の黒社会に出現した項羽という名の男が、天の真理を封印する箱を守る風水師・万歳と出会い、天の真理を手に入れて黒社会の覇者になろうとするという物語。この作品を選んだ理由について王プロデューサーは、同作が黒社会を通じて人間の心と運命を描いている点に触れ、台湾が最も力を発揮できる部分であり、規模や物語の理解度においても台湾で製作するのにふさわしいと思ったからだと説明する。

現在は脚本家とシナリオの大筋を練っている最中。監督の人選を進めており、すでに2、3人に声をかけているという。監督の条件は「鄭さんの読者で、原作の精神を理解していること」。物語の方向性が決まってから最終的に監督を決定するとしている。製作チームは台湾のスタッフをメインにする予定。

鄭さんの死去後、鄭さんの功績に改めて注目が集まっている。台北市の国立故宮博物院では今月16日から9月17日まで、鄭さんの特別展が開かれる。また、台湾、日本、香港、北京の4地域の出版界などの18人の視点から鄭さんの一生を読み解く書籍も出版された。

(江佩凌/編集:名切千絵)