教会になった日本統治時代の神社跡 今なお残る鳥居や狛犬/台湾

【社会】 2015/05/22 14:58 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
教会になった日本統治時代の神社跡  今なお残る鳥居や狛犬/台湾

(花蓮 22日 中央社)台湾東部の花蓮県新城郷に、日本統治時代の神社跡とキリスト教の教会が融合した「新城天主堂」がある。日本の敗戦後、本殿などは取り壊されたが、鳥居や灯篭、狛犬、手水舎などは保存され、当時の歴史を今に伝えている。

神社は1937(昭和12)年、1896(明治29)年の「新城事件」で犠牲になった旧日本軍の兵士を悼む記念碑のある場所に建てられた。日本の撤退後には破壊され、荒れるに任せていたが、1962年にキリスト教の関係者が土地を購入し、1965年には教会が完成している。

現在、教会で神父を務めているのはスイス出身の戴宏基さん。東洋文化への興味から1976年に来台し、その後40年近くにわたり、日本統治時代の歴史や原住民(先住民)文化などの研究を行ってきた。戴さんらが残された鳥居などの保存に努めたこともあり、神社跡は2005年に花蓮県の古跡に認定されている。

キリスト教と神道は異なる宗教だが、「歴史的観点から保存に力を注いできた」と語る戴さん。将来的には博物館を作り、より多くの人に台湾の歴史を知ってほしいとしている。

【 新城事件 】 台湾が日本へ割譲されて間もない1896年、新城に駐屯していた旧日本軍の兵士が台湾原住民のタロコ族の女性に暴行を働いたことがきっかけ。憤慨した住民が旧日本軍の兵舎を奇襲し兵士13人が殺害された。1914年に起きた「タロコ事件」の遠因にもなっている。