台湾「唐奨」受賞のアリソン氏 免疫療法でがん治療に光

【社会】 2014/06/19 11:51 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
台湾「唐奨」受賞のアリソン氏  免疫療法でがん治療に光

(ヒューストン 19日 中央社)2014年台湾「唐奨」の「バイオ医薬」部門の受賞者に選ばれた米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター免疫学科主任のジェームズ・アリソン氏は、唐奨の受賞は非常に光栄であるとともに、がん免疫療法についての社会の理解と重視につながればとその喜びを語った。

11歳の時に母親をがんで亡くしたアリソン氏は、若い頃から生物と疾病について深い関心を持ち、テキサス大学オースティン校で免疫学を専攻。以来40年間、ヒトの免疫機能をめぐってT細胞やがん細胞の研究に専念してきた。

アリソン氏のいるテキサス州ヒューストンのMDアンダーソンがんセンターは米国で最も進んだがんの医学研究・医療の拠点で、世界のトップクラスの研究者ががんや腫瘍に対抗しようと免疫治療研究に取り組んでいる。

アリソン氏は1995年、T細胞の活動を抑える抑制性受容体のCTLA-4を発見。同氏の研究チームでCTLA-4の活性化を遮断する抗体の開発に取り組み、1996年にはマウスを使った動物実験でこの抗体が腫瘍の排除に役立つことが証明され、抗体製剤の開発に成功した。これが皮膚がんの一種である転移性の悪性黒色腫の患者に対して治療効果を発揮し、2011年に米国食品医薬品局(FDA)の認可を受け販売に至っている。

この薬によって免疫システムを強化することで患者は平均4カ月の延命が可能となり、臨床試験では患者の2割が4年半延命できたという。また、薬剤を使用した5000人を対象とする追跡調査では患者の2割が発病後3年間生存していたことがわかったほか、7~8年から10年の延命が可能で、中には14年延命できたケースもあるという。

米国で多くの賞を受賞しているアリソン氏は、今回の唐奨受賞でこの治療法の認知度が高まればと喜びを語った。

(廖漢原/編集:谷口一康)