台湾、歴史教科書改訂 「日本統治」は「日本“殖民”統治」に

【社会】 2014/01/28 17:10 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
日本統治時代の台湾総督府(現総統府)=ウィキメディア・コモンズより

日本統治時代の台湾総督府(現総統府)=ウィキメディア・コモンズより

(台北 28日 中央社)教育部の国民基本教育審議会は27日、今年8月から実施される12年一貫教育の高校向け学習指導要領の調整を行い、歴史科のうち台湾史の部分で日本統治時代や中華民国政府の台湾移転後の事象に関する記述や名称が“中立化”されることになった。この結果、1895~1945年の「日本統治時期」は「日本殖民統治時期」に変更される。

教育部の林淑真次長は今回の調整の要点を、「憲法の規定に合う名称の統一使用」、「内容の補足修正」、「社会の変化に対応する重要議題の調整」と説明。日本統治時代の名称以外にも、「統治政策と台湾の人々の反応」が「殖民統治政策と台湾の人々の反応」に変更となるほか、「慰安婦」の記述には「(慰安婦になることを強制的に)迫られた」などの言葉が追加される。

同部の王作台主任秘書は、これまでの学習指導要領では、「大東亜共栄圏」の背後にある侵略構想や台湾人に対する経済的な搾取や土地の強奪、日本商社による貿易の独占などに言及しておらず、日本統治を美化しているのではないかとの指摘があったとした上で、今回の改訂では“中立的”な記述を採用し、日本“殖民”統治の功罪を併記したと述べた。

今回の調整では日本統治時代以外にも、「オランダ及びスペインの統治」が「オランダ及びスペインの入台」、「鄭氏統治」が「明鄭統治」、「清代統治」が「清廷統治」にそれぞれ改められるほか、戦後の「白色テロ」の背景に反共政策があったことや、台湾の近代経済の発展についても具体的な説明が加えられた。

一方、これらの方針に反対する民進党、台湾団結連盟、台湾教師連盟などの団体は同日午後、学習指導要領の調整には広く社会の意見を取り入れるべきで、審議会だけで決定してはならないとする要求を教育部に伝えた。

この新しい学習指導要領は2015年度の高校1年生から適用されるという。

(陳至中/編集:齊藤啓介)